シネマ歌舞伎「スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース」
スクリーンで楽しむ歌舞伎=シネマ歌舞伎に、「スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース」が登場!
上演中、あちこちで「面白い!!」と大評判だったこちらの舞台。
観に行かなくて後悔していたので、シネマ歌舞伎で気軽に観ることができて嬉しいです。
宙乗りや本水を使った装置の中での立ち回り、プロジェクションマッピングで劇場に現れた大クジラや虹、旗を使ってのパフォーマンスなど、歌舞伎の技や演出をベースに「これでもか」とエンタメ要素とサービス精神をたっぷり詰め込んだ舞台。
原作の「ワンピース」は途中までで読むのをやめてしまっていて予備知識のないまま観ましたが、とっても楽しめました。
ただ、もともと3時間半ほどある舞台を2時間の映像におさめているので、めまぐるしい展開で慌ただしかったのが残念…。
炎や燃える様子を表現したメラメラ揺れる赤い幕でのアクション(←これ、三代目猿之助さん、現猿翁が京劇にヒントを得てはじめたと仰っていた演出だったはず)やサービス精神たっぷりの宙乗りなど、スーパー歌舞伎の演出が引き継がれているのに胸が熱くなりました。
脚本は初期のスーパー歌舞伎も手がけていた横内謙介さん。
そしてまったく変わることのない、笑也さんの女形の声と姿の衝撃的な美しさ。
懐かしの「スーパー歌舞伎 八犬伝」を思い出しました。
思えば、そもそも歌舞伎に興味をもったきっかけが、初めてテレビで「スーパー歌舞伎 八犬伝」を観たときに受けた衝撃。
スーパー歌舞伎はしっかりと歌舞伎の伝統をふまえながらも、現代の言葉づかいですし、テーマも現代的なのでとってもわかりやすく、歌舞伎の入口にぴったりなんですよね。
三代目猿之助さんがはじめたスーパー歌舞伎の志はそのままに、今の10代、20代に向けて、四代目が新たな取り組みをやっているのだと思うと、受け継がれていく意志を感じて嬉しくなります。
隼人さん(サンジとイナヅマの2役)や巳之助さん(ロロノア・ゾロ、ボン・クレー、スクアードの3役)など、これからの歌舞伎を担っていくであろう若い役者さんが大活躍で、若いお嬢さんの気持ちをわしづかみにしそうな色気とかっこよさに溢れていたのも頼もしい限りでした。
★Information
2015年11月、新橋演舞場での公演を収録
2016年10月公開