Cinema:満月の夜
エリック・ロメール監督特集「ロメールと女たち」、2本めは「満月の夜」(1983年、フランス)を見ました。
恋人のレミとパリの郊外で同棲中なのに、一人になって孤独を味わいたいと、パリに借りたアパルトマンの一部屋で週末を過ごす生活を送りはじめるルイーズ。
実際には一人きりで過ごすなんてできなくて、踊りに行ったり、アドレス帳の中の男友達の番号に片端から電話をかけて予定を埋めようとしたり。
彼女は男性に自分のすべてではなく一部を預けたいだけなのに、彼女に惹かれる男性たちは彼女のすべてを独り占めにしたいという。
一心に愛されると逃げたくなって、でも常に誰かから求められていないと不安。
愛したり、愛されたりの難しいバランス。
すらりとした素晴らしい肢体と骨っぽく中性的な顔立ち、なのに声はとってもふんわりしていて甘やかというアンバランスさで、まるで身を守るかのようにいつも黒い服を纏っている。
不安定で常に揺れ動く、繊細な女心を嫌味なく体現していた、ルイーズを演じるパスカル・オジェの佇まいが印象的な作品でした。
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★Information
満月の夜
監督:エリック・ロメール
1983年、フランス