うたかた日記

流れていく日々の中で感じるよしなしごとを綴ります。

Musee:英国の夢 ラファエル美術展 at Bunkamuraザ・ミュージアム

会社帰りに美術館へ行ってきました。
金土と夜9時まで空いているのが嬉しい、Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「英国の夢 ラファエル前派展」です。

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リバプール市内および近郊の3美術館の総称、リバプール国立美術館所蔵のラファエル前派とその継承者たちの作品を紹介する展覧会。

4つのパートから構成されていました。
Ⅱ.古代世界を描いた画家たち
Ⅲ.戸外の情景
Ⅳ.19世紀後半の象徴主義者たち

ミレイにロセッティ、そして彼らの継承者としてのバーン・ジョーンズ、ウォーターハウスを中心に、さまざまな画家の作品が65点展示されています。

聖書、ギリシャローマ神話、古代世界、中世の騎士物語、自然、滅びゆく懐かしい世界としての田舎…。
さまざまなものにインスピレーションを得て、画家たちが想像力を働かせて作り上げた甘く美しく、ロマンティックな絵画の数々。

「ラファエル前派展」とタイトルがついていますが、"ラファエル前派とは何か?""絵画史における意義は?"など、お勉強的な解説はほとんどなく、描かれた世界観をざっくりカテゴリー分けして順に展示してありました。
難しいことは考えず、うっとりと絵の世界に浸れるのがよかったです。

大好きなミレイが冒頭にどどんと8点。
中でもメインビジュアルにも使われていたこちらの作品がとても素敵でした。

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ジョン・エヴァレット・ミレイ「ブラック・ブランズウィッカーズの兵士」(1860年)
画中画としてナポレオンの肖像画が描かれていますが、ブラック・ブランズウィッカーズというのは、イギリス、オランダを助けてナポレオン率いるフランス兵と戦ったプロイセンの軍だそう。
戦地に赴く兵士と別れを惜しむ恋人の図です。
衣装の質感や女性のなんとも言えない表情の描写が素晴らしく、とてもロマンチックな一枚。

また、バーン・ジョーンズの連作「眠り姫」が好きなので、「最初の場面《眠れる騎士たち》の習作」(1870年頃)があって嬉しかったです。
魔法にかかって眠りこける騎士たちの描写はかなり冒険していて、ぱっと見キュビズムの絵のように見えたのが発見でした。

久しぶりに展覧会グッズを買いました。
ラファエル前派展×清澄白河の紅茶屋さんTEAPONDのコラボ。
ウォーターハウス、ミレイ、ロセッティをそれぞれイメージした紅茶です。

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パッケージが素敵で、どんな味なのか楽しみ。

展覧会を観終わって、ちゃんとラファエル前派のことを知りたいと思いました。

ラファエル前派―ヴィクトリア時代の幻視者たち (「知の再発見」双書)

ラファエル前派―ヴィクトリア時代の幻視者たち (「知の再発見」双書)

ラファエル前派の世界

ラファエル前派の世界

★Information
Bunkamura ザ・ミュージアム
東京都渋谷区道玄坂2-24-1

英国の夢 ラファエル前派展
2015年12/22(火)〜2016年3/6(日)