Musee:「岩佐又兵衛と源氏絵 《古典》への挑戦」 at 出光美術館
さまざまな時代の画家が画題として取り組んだ『源氏物語』。
岩佐又兵衛が手がけた源氏絵を、土佐派によるやまと絵、俵屋宗達や菱川師宣などの源氏絵もあわせて展示することで、又兵衛の源氏絵ならではの工夫、独自性を明らかにしようという展覧会。
今、気になる人のひとり、岩佐又兵衛。
作品数は少ないながらも、源氏絵だけではなく、三十六歌仙図や瀟湘八景図巻など、出光美術館所蔵のいろんなタイプの作品を観ることができました。
岩佐又兵衛というと、「山中常盤物語絵巻」の血みどろの場面の印象が強くて、"奇想の画家"というイメージがあったのですが、いい意味で普通の、創造性に富んだ腕のある絵師なんですね。
何をどんなふうに描いてもうまいし、ドラマが生まれる瞬間をぱっと切り取るセンスを感じます。
今回の展覧会のメインビジュアルに使われている「源氏物語 野々宮図」も、別れの場面そのものではなく、枯れゆく秋の野に佇む光源氏と従者を描き、別れを濃密に感じさせる物悲しい絵。
とても素敵でした。
★Information
東京都千代田区丸の内3-1-1 帝劇ビル9階
岩佐又兵衛と源氏絵 《古典》への挑戦
1/8(日)〜2/5(日)