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うたかた日記

流れていく日々の中で感じるよしなしごとを綴ります。

大人の恋物語〜平野啓一郎『マチネの終わりに』(2016年、毎日新聞出版)

帯の「結婚した相手は、人生最愛の人ですか?」というコピーに惹かれて手にとってみました。

 

平野啓一郎『マチネの終わりに』(2016年、毎日新聞出版)

 

マチネの終わりに

マチネの終わりに

 

 

平野啓一郎さんの作品を読むのは、彼のデビュー作で芥川賞受賞作『日蝕』以来です。

"京都大学法学部在学中にデビュー"という経歴から、当時は「三島由紀夫の再来」というふれこみで売り出していたんですよね。

三島が好きで手にとってみたものの、中世ヨーロッパが舞台、キリスト教や異端信仰などを扱っており、テーマが難しすぎてその当時の私の手には負えず、なんとか読みとおしましたがさっぱり理解できなかったという…。

 

日蝕・一月物語 (新潮文庫)

日蝕・一月物語 (新潮文庫)

 

 

この『マチネの終わりに』は 蒔野聡史と小峰洋子、不惑の四十歳を迎えようとしている時期の二人の生き方と、大人の純愛を描いた小説です。

シンプルな言葉を使いながらも、アメリカによるイラクへの攻撃やリーマンショックなど時事問題も盛り込まれていて、ただのロマンス小説ではなく、現代を生きる人間の物語にもなっています。

年齢を重ねたあとの恋は難しい。
でも、だからこその美しさもある。
「日常を忘れ、没頭できる小説が書きたかった」という平野さんの言葉どおり、物語の世界にどっぷりと浸れた幸せな時間でした。

久々に、現代作家の素晴らしい作品を読みました。

これを機に、まとめて平野啓一郎さんの作品を読んでみようかなぁ…。