うたかた日記

流れていく日々の中で感じるよしなしごとを綴ります。

素敵な歌〜ミッシェル・ポルナレフ「渚の想い出」

1991年に宝塚歌劇団雪組で上演されたショー「ラバーズ・コンチェルト」。

この中に、ラバーズ・イン・パリAというタイトルの場面があります。
トップコンビ、杜けあきさん(もりちゃん)と鮎ゆうきさん(あゆちゃん)がメイン。
白いスリーピースのスーツにトレンチコートを羽織り、中折れ帽を目深に被った渋いもりちゃんが、黄色いワンピースを着たあゆちゃんに「君だけを愛している」と歌う。
その歌にのせて、あゆちゃんはじめ、男役と娘役のカップルが踊るんですが、このショーと併演された「華麗なるギャツビー」や、ギャツビーの原作者フィッツジェラルドの「バビロンに帰る」を彷彿とさせる大人の雰囲気で、とっても好きなんです。

この歌のメロディーがすごく印象的で調べてみたら、フランスのシンガーソングライター、ミッシェル・ポルナレフが1969年に出した「Tous Les Bateaux,Tous Les Oiseaux」(邦題:渚の想い出)という歌でした。
ショーの場面で音からフランスの雰囲気がたっぷり感じられたのも納得。
ポルナレフは自身で作詞作曲もするようですが、この歌は詞・曲ともにほかの人からの提供です。
宝塚のショーのなかでは歌詞もアレンジも大人のムードで使われていましたが、元の歌はカモメの声ではじまる甘くロマンティックなバラード。
「君にあげよう、すべての船と、すべての鳥と…」
かなり昔の曲ですが全然古くさくなく、独特の甘いムードに胸がキュンとなります。

自分の趣味だけでは触れることのない曲を知ることができるのも、ショーの魅力。
タカラヅカはシャンソンにジャス、ラテンにポップスなど、あらゆる曲を使うので、本当に面白いです。

渚の想い出 [EPレコード 7inch]

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