うたかた日記

流れていく日々の中で感じるよしなしごとを綴ります。

Musee:特別展 琳派400年記念 琳派と秋の彩り at 山種美術館

今年は琳派の祖といわれる本阿弥光悦が京都の洛北、鷹峯に"芸術村"を拓いてから400年目にあたるそうです。
そのため、京都国立博物館をはじめ、あちこちで琳派に関する展覧会が開かれています。
現在、山種美術館で開催中の「琳派と秋の彩り」展もそのひとつ。

美術で表現された秋を楽しもうと、秋晴れの週末に足を運んできました。

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第1章 琳派の四季
第2章 琳派に学ぶ
第3章 秋の彩り

本阿弥光悦俵屋宗達をはじめ、尾形乾山酒井抱一、鈴木基一と続く琳派の作家の作品。
琳派の装飾性を意識している、あるいはたらし込みなど琳派技法を取り入れるなど、琳派に強い影響を受けている近代・現代の作品。
とくに琳派の作家が好んで取り上げた、秋をテーマにした作品と三部構成です。

俵屋宗達本阿弥光悦酒井抱一など、琳派の作品がずらりと26点並ぶ第1章だけでも見応え充分。
入ってすぐのところに展示されている、宗達の絵に光悦の書のコラボレーション、「鹿下絵新古今和歌巻断簡」(17世紀)と「四季草花下絵和歌短冊帖」(17世紀)からして、最高にクールでかっこいい!
墨の濃淡や金銀泥のにじみに趣があって、金銀という派手な色を使っているのに決してけばけばしくならず、品のある美しさ。
そのほか、墨や筆跡の面白さを堪能できる作品ばかりでした。

とくに酒井抱一の作品が充実していて、彼の粋な意匠にたくさん触れることができて嬉しかったです。
彼の作品って、緻密で繊細でありながら、どこかふわっと力が抜けていて、とっても品がよくおしゃれだな〜と思います。

そしてどの作品も、表装が豪華!
美しい作品を引き立てるように、色や織りに趣向を凝らした布が使われています。

続く第2章と第3章は、秋の雰囲気漂う近代・現代の作品たち。
大きくて豪華な大作あり、ささっと書き留めたような小品あり、それぞれの作家の表現した秋の世界が楽しめました。

ひとくちに「日本画」といっても、墨と岩絵の具を使って筆で描いた王道のものから、モノのフォルムを極限まで単純化して描いた抽象画のようなものまで、いろんなタイプの作品があって、バラエティに飛んでおり、見ていて飽きません。

小林古径加山又造菱田春草速水御舟川合玉堂東山魁夷竹内栖鳳奥村土牛、福田平八郎と、有名な作家はほぼ揃っているので、自分の好みを探ったり、好きな作家を見つけたり、マイベストはどれかを考えながら観る、なんていう楽しみもできそうです。

こちらの展覧会のチラシの裏面で、なんとなくどんな展示なのかを感じとってみてください!

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美術館にいながらにして、秋の景色や情趣を満喫できます。

もともと子どもの頃から和のものは好きでしたが、年を重ねてきて、最近ますます日本の季節の美しさや、そうした情趣を表現したものに強く心惹かれます。
琳派の作品は、古今和歌集伊勢物語など、日本の古典に題をとったものが多く、あらためて古典を勉強してみたいと思いました。

絵を満喫したあとは、館内のcafe 椿でお茶を。

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今回の特別展をイメージして作られた特製和菓子と抹茶のセットです。
5種類もあって悩んだのですが、酒井抱一の「秋草鶉図」(19世紀)をイメージした、「秋草」というきんとんを。
月や鶉が羊羹で表現され、中は黒糖風大島あんでした。
こちらの和菓子、お持ち帰りもできるそうですよ〜。

山種美術館の公式サイトでは、これまでの特製和菓子がアーカイブとして見られるようになっていました。


最後に。
美術館や劇場に足を運ぶ時のちょっとした楽しみ。
テーマに関連した服装をしていく。
この日は最近手に入れたばかりの千種さんの鳥ブローチをしていきました。

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ツグミとクロモジ。
クロモジの葉の黄色が秋色です。

★Information
東京都渋谷区広尾3-12-36

特別展 琳派400年記念 琳派と秋の彩り
9/1(火)〜10/25(日)