うたかた日記

流れていく日々の中で感じるよしなしごとを綴ります。

Livre:有地京子『ルーブルはやまわりー2時間で満喫できるルーブルの名画』(中央公論新社、2011)

8月末に予定しているフランス旅行の予習として読んだ1冊です。

人生で二度目になるフランス。
初めて訪れたのはちょうど10年前で、そのとき足を運んだ美術館はオルセー美術館のみ。
フランスが誇る美の殿堂、ルーブル美術館には行かなかったのでした。

今回はパリに滞在する期間の一日を、ルーブル美術館の鑑賞に当てようと思っています。
美術好きなら、やはり一度はゆっくり訪れたい憧れの美術館ですものね。

と言うわりに、最初に手に取った本は"さくっと2時間で、ルーブル美術館のおいしいところだけ効率よくまわろう!"という、なんとも日本人らしい、よくばりなコンセプトの本なのですが…。

著者の有地京子さんは、ちょっと変わった経歴の持ち主で、もともとは専業主婦。
ご主人の仕事の関係でフランス住まいが長く、その間にアートの勉強をされ、画商になられたのだとか!
今はカルチャーセンターなどで、絵画の見方やアートの魅力などを伝えていらっしゃるようです。

そもそもアートを専門的に勉強されていた方ではないせいか、親しみやすい切り口と平易な言葉で一枚一枚の絵の見どころや画家の生涯、絵にまつわるエピソードなどがつづられています。

普段美術に親しんでいない人向けに、ルネサンスからマニエリスムバロックへという西洋美術史の流れや美術用語の解説など、鑑賞するうえで押さえておきたい基本的な知識も丁寧に解説されているのがいいですね。

それから、"ルーブルはやまわり"のタイトルどおり、効率よくルーブル美術館をまわるための道案内が親切です。

この部屋を通り抜けてとか、⚪︎⚪︎が目印です、など、方向感覚が鈍く道に迷いやすい人にもわかりやすい解説になっていて嬉しい限り。
そして、絵以外の建物そのものの見どころや、窓からの景色などもおすすめしてくれて、ほんと至れりつくせりです。

絵に造詣の深い、そしてルーブル美術館の構造を知り尽くしたガイドさんと一緒にルーブルを見て歩いているような感覚になる1冊。
よくできています。

ルーヴルはやまわり - 2時間で満喫できるルーヴルの名画

ルーヴルはやまわり - 2時間で満喫できるルーヴルの名画


オルセー美術館バージョンも。
こちらも読んでみたい…。