うたかた日記

流れていく日々の中で感じるよしなしごとを綴ります。

英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2017/18 バレエ「マノン」

映画館でバレエ鑑賞。
英国ロイヤルバレエ団の「マノン」を見てきました。

 

原作はオペラやバレエ、映画にもなっている、アベ・プレヴォの『マノン・レスコー』。
音楽はジュール・マスネ、ケネス・マクミランによる振付。
お金持ちで好色なG.M.、乱暴な看守、妹の美しさを利用して成り上がろうとするゴロツキの兄…。
いろんな男の欲望をかき立てて、利用され、清楚で可愛らしい田舎娘から、女王のように美しく飾り立てた高級娼婦に、最後は罪人としてアメリカに送られ…と、どんどんボロボロになっていくマノン。

 

ファム・ファタールのイメージが強いですが、この作品では男性に翻弄されるか弱い少女という印象。
場面によってくるくると表情が変わり、あどけない少女のようにも、色っぽい大人の女性のようにも見える、サラ・ラムのマノンが素晴らしかった!!
デ・グリューとの甘い恋と、お金持ちの愛人がもたらしてくれる贅沢な生活の魅力。
愛は素晴らしいものだけど、生きて行くのにお金は必要と、現実を受け入れている大人なマノンで、デ・グリューを見つめる切ない表情がとくに印象的でした。

 

ワディム・ムンタギロフのデ・グリューも、キラキラと情熱的な青年で、ハマり役。
サラとの息もぴったりで、寝室と沼地、2つのパ・ド・ドゥは、この上ない美しさ。

 

ゴロツキの兄、レスコーは平野さん。
野心満々のギラギラした男臭い感じと、でもちょっと抜けているコミカルな味のバランスが抜群。
酔っ払いながら踊る2幕はコミカルな演技に客席は大笑いでした。

 

★Information
英国ロイヤル・オペラ・ハウス
シネマシーズン2017/18
バレエ「マノン」
振付:ケネス・マクミラン
音楽:ジュール・マスネ
指揮:マーティン・イエーツ
マノン:サラ・ラム
デ・グリュー:ワディム・ムンタギロフ
レスコー:平野亮一
レスコーの愛人:イツァール・メンディザバル
G.M.:ギャリー・エイヴィス