うたかた日記

流れていく日々の中で感じるよしなしごとを綴ります。

三月大歌舞伎 夜の部「於染久松色読販」「神田祭」3/18

三月大歌舞伎、夜の部の「於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)」「神田祭」を幕見してきました。

 

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二月に続いて、仁左玉コンビ♡

「於染久松色読販」は鶴屋南北の作品。
通称「お染の七役」と言い、お染をはじめ、女形が早替りで7役を演じ分けるのが目玉の芝居ですが、今回はそのうちの小梅莨屋の場と瓦町油屋の場の二場のみの上演です。
ドスの効いた低音で「おい、かかぁ」と呼ぶ仁左さんの喜兵衛に、「あいよ」とだるそうに応える玉三郎さんのお六。
無茶を承知の強請りの場面から、駕籠をかついではけるまで、二人の息ぴったりの悪党ぶりがたまりません。
剃刀を口にくわえてぎろりと睨む仁左さんの色悪も素敵ですが、玉三郎さんの愛嬌ある悪婆も魅力的。
最後の花道の七三での挨拶は、お二人ともに劇場内の四方八方を見渡して丁寧にされており、「仁左玉でがっつり組むのはこれで最後にするおつもりなのかな?」と思ってしまうほど。
担ぎ込まれた丁稚(吉太朗さん、名演!)を前にわちゃわちゃと、終わったばかりのオリンピックネタ「そだね〜」をねじ込んだりした、脇を固める油屋の人々の受ける芝居も最高で、あっという間の45分でした。

 

続く「神田祭」は清元の舞踊。
ひたすら美しいお二人のいちゃいちゃを、観てるだけで幸せ。

 

それぞれに美しくて、二人寄り添ったときにはさらに輝きが増す。
また芝居も舞踊も息ぴったり。
お互いにそんな相手役に恵まれて、老いてますます美しくなるお二人を目の当たりにできる喜びに、ひたすら浸った幸せな時間でした。

 

★Information
三月大歌舞伎
歌舞伎座
3/3(土)〜3/27(火)

 

夜の部

一、於染久松色読販
小梅莨屋の場
瓦町油屋の場

 

土手のお六:玉三郎
山家屋清兵衛:錦之助
髪結亀吉:坂東亀蔵
庵崎久作:橘三郎
油屋太郎七:彦三郎
鬼門の喜兵衛:仁左衛門

 

二、神田祭
鳶頭:仁左衛門
芸者:玉三郎