うたかた日記

流れていく日々の中で感じるよしなしごとを綴ります。

寿 初春大歌舞伎 昼の部 1/8

2か月にわたる高麗屋三代襲名披露公演。
NHKの生中継を観て、気分だけ味わえたのでいいか、と思っていましたが、数日前、3階席が戻っていたので「やっぱり行こう!」と観てきました。

 

f:id:utakatax:20180108212936j:image

 

かっこいい特別仕様のポスター3種。

 

f:id:utakatax:20180108213005j:image

 

襲名の祝い幕。

曙の空の色のぼかしが上品で素敵でした。

 

f:id:utakatax:20180108213307j:image

 

「箱根霊験誓仇討」
勘九郎さん&七之助さんに、愛之助さんががっぷり組んだ義太夫狂言。仇討にすべてをかける夫婦の情愛、ふてぶてしくて骨の髄まで悪い敵、妻の愛ある犠牲で起こる奇跡など、歌舞伎あるある、な物語。
面白く観ましたが、義太夫狂言のわりにさっぱりしすぎてて少し物足りなく感じました。

 

七福神
配役がぴったり。とくに鴈治郎さんの大黒さまと、又五郎さんの恵比寿さま。すごくハマっていました。
七福神が勢ぞろいして宝船に乗り込む絵は、本当に華やかでおめでたく、見ただけでご利益がありそう。

 

「菅原伝授手習鑑」車引
新・幸四郎さんは声が変わったような…。一瞬、「誰!?」と思うほど、太くて力強い声。喉が弱い印象があったのでびっくりしました。反面、身体の使い方があんまり…なのが気になりました。荒事なのに、らしさがなかったんですよね。
勘九郎さんの梅王丸、すごくよかったです!! 拵えが似合うし、一つひとつの動き、型がとってもきれい。足がしっかり割れて、腰の位置が低く、すごくキツい体勢だと思うんですが、ぴたっと決まってちっとも揺らがないんです。古典をがっつり、こんな勘九郎さんが観たかった♡
七之助さんの桜丸は、美しかった。キリッとしすぎてる感じがするので、もう少し柔らかさがあるといいなぁと思いました。

 

「菅原伝授手習鑑」寺子屋
なんて豪華な寺子屋! 子や孫を引き取りにくるお百姓まで、贅沢な配役です。
なかでも猿之助さんの涎くりが大御馳走。幕開けの手習の場面から、東蔵さん演じるおじいちゃんと手をつないではけるところまで、本当に面白くて、客席は大よろこびでした。
新・白鸚さんの松王丸はいつもの感じで、繊細でリアルな芝居と聞かせる台詞回し。現代的な味が強いですが、梅玉さんの源蔵もさらさらしているので、芝居の温度感はぴったり。
雀右衛門さんの戸波の安定感! いつも変わらず、質の高い芝居。雀右衛門さんがいてくださるとほっとします。
魁春さんの千代はしっとりと丁寧で、この千代の嘆き、悲しみが一番印象的でした。
最後に登場する藤十郎さんの園生の前。出てくるだけで場が華やぎ、芝居がきゅっとしまる、さすがの存在感でした。

 

幕内のお弁当は、一度食べてみたかった海苔弁山登り。

歌舞伎座地下、木挽町広場のお弁当売り場、やぐらで買えました!

 

f:id:utakatax:20180108213200j:image

 

包装を見るに、歌舞伎座の特別仕様の品のようです。

 

f:id:utakatax:20180108213445j:image

 

高級海苔弁、美味しゅうございました。

 

★Information
壽 初春大歌舞伎
歌舞伎座
1/2(火)〜1/26(金)

昼の部
一、箱根霊験誓仇討
箱根山中施行の場
同 白滝の場

飯沼勝五郎:勘九郎
滝口上野/奴筆助:愛之助
女房初花:七之助
母早蕨:秀太郎

二、七福神
恵比寿:又五郎
弁財天:扇雀
寿老人:彌十郎
福禄寿:門之助
布袋:高麗蔵
毘沙門:芝翫
大黒天:鴈治郎

三、菅原伝授手習鑑
車引

松王丸:染五郎 改め幸四郎
梅王丸:勘九郎
桜丸:七之助
杉王丸:廣太郎
金棒引藤内:亀鶴
藤原時平:彌十郎

寺子屋

松王丸:幸四郎 改め白鸚
武部源蔵:梅玉
千代:魁春
戸波:雀右衛門
涎くり与太郎:猿之助
百姓吾作:東蔵
春藤玄蕃:左團次
園生の前:藤十郎