うたかた日記

流れていく日々の中で感じるよしなしごとを綴ります。

歌舞伎座が…

昨日の歌舞伎座の惨状が、いまだに衝撃的で信じられない…。

歌舞伎座は1階で観ようと思うとなかなかいいお値段なので、いつも観たいものだけ幕見するか、3階どまり。
だけど本当に久しぶりに「これはいい席で観たい」と思う演目&役者さんばかりだったので、ちょっと頑張って1階後方の2等席で観てみたら、もう…。

 

芝居は素晴らしかったけど、周りの観客のマナーが「え?」と思うぐらいひどくて閉口。

 

連れの人と話し出す、
遅れて入ってきて、遠慮なく「私の席、どこですか?」「真ん中?」「すみませんね」と普通の声でやりとり、
ビニール袋をがさがさがさがさ、
背もたれに背をつけず、前のめりで観劇、
電源を切らず、スマホをちらちら確認、
これ全部、休憩中じゃなくて、お芝居の途中のこと。
みなさん、私よりも年上の方ばかり。
「本当にお芝居を楽しみにここに来ているんですよね?」と言いたくなる人の多さよ。
怒りを通り越して、呆れるし、哀しくなった…。

 

子どもの頃、ごくたま〜に親に連れて行ってもらう歌舞伎座は、お芝居を観にきている大人たちのふるまいや会話、おしゃれな装い、周囲の人への気配りがとっても素敵で、「こんな大人になりたいなぁ…」「大人になったら、こんなふうに自分のお金で一等席で歌舞伎が観られるようになりたい!」と思う憧れの場所だったのになぁ…。

隣が子どもだと嫌がったり、眉をひそめたりすることなく、きちんと一人前扱いをしてくださって、昔の舞台や役者さんの思い出話を聞かせてもらったり、演目の詳しいいわれを教えてくださったり、「お若いのに渋い趣味だわね」と幕間にお菓子をいただいたり、たまたま席が隣になった方とのいい思い出がいっぱいあるのに。

 

あの粋な大人たちはどこへいってしまったの?
幕見や3階席で観てる時、下の階がこんな有様だなんて、思ったこともなかった。
たまたま運悪く、周りの人に恵まれない日に当たってしまったと信じたい。

 

あまりにも衝撃的で、自分から誘って付き合ってもらったにも関わらず、友人に愚痴ってしまった。