うたかた日記

流れていく日々の中で感じるよしなしごとを綴ります。

ウィーンフィルニューイヤーコンサート2017〜指揮者ドゥダメル氏と音楽プログラム「エル・システマ」

昨日の夜、なんとなく見はじめたウィーンフィルのニューイヤーコンサートの生中継。

指揮者がクラシック音楽の場ではあまり見かけないチリチリふんわりヘアーの、気のいいあんちゃんのような雰囲気の方で、ポルカやワルツなどを自ら踊り出さんばかりにノリノリで指揮しているのに引き込まれて、最後のラデッキー行進曲まで聴いてしまいました。

ああ、楽しかった…。

 

あとで調べてみたら今年の指揮者、グスターボ・ドゥダメル氏は35歳の若さでありながら、世界の名だたるオーケストラから引っ張りだこで、"100年に1人の逸材"とも呼ばれているすごい人なんですね。

 

南米ベネズエラ出身で、音楽を学んだのは1975年から経済学者のホセ・アントニオ・アブレウ主導ではじまった、音楽教育プログラム「エル・システマ」をとおして。
貧困や犯罪、暴力をなくす目的でスタートしたもので、スラムの子どもたちに無料で楽器の演奏や合唱などを教え、音楽活動の場を与えることで、音楽をとおして社会性などいろんな能力を育む機会にもなっているんだとか。

ドゥダメルさんもあまり裕福ではない家庭の出身だそう。

 

クラシック音楽はどうしても裕福な環境にいる人たちのものだというイメージが強いですが、ベネズエラではこんなすごい取り組みがされていたんですね…。

たとえ演奏家にはならなくても、音楽をとおしてこつこつ努力することを学んだり、みんなと協力して一つのものを作り上げる喜びを感じたり、なによりも目標が持てて、居場所がある。

そのことがどんなに厳しい環境で生活している子どもの心を支えてくれるか…。

 

この教育プログラムについて、本が出ていたので、機会を見つけて読みたいと思っています。

 

世界でいちばん貧しくて美しいオーケストラ: エル・システマの奇跡

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