Livre:川上未映子『きみは赤ちゃん』(2014年、文藝春秋)
川上未映子『きみは赤ちゃん』(文藝春秋、2014年)を読み終わる。
その予定はないけれど、「妊娠出産ってどんなものなんだろう?」と思って手にとった一冊。
芥川賞作家の川上未映子さんが、夫である同じく作家の阿部和重さんとの間に授かったお子さんが1歳を迎えるまでの日々を綴った、出産・育児エッセイ。
出産編と産後編、大きく二つのパートに分かれているのだけど、どちらの日々もお母さんは大変!!
妊娠出産も命がけの大仕事だし、産んでからはまともに寝られない状態が続く、赤ちゃんのお世話が中心になる生活がまったなしのスタート。
マタニティーブルーから育児うつや産後クライシスなど、妊娠出産のダークサイドがさらりと、しかし結構赤裸々に綴られているので、そのしんどさ、大変さには恐れ入るばかり。
みんな、そんなに詳しくは語らないけど、こんなに大変なのね…。
こればっかりは、当事者になってみないと本当のところはわからないんだろうけど。
自分の母親もそうだし、子育て真っ最中の友人たちも、このしんどさを体験していると思うと頭が下がるし、少しでも力を貸せることがあったら協力したいと思う。
出産育児のしんどさ大変さが語られながらも、全編とおして親になったことの喜びやお子さんへの愛がじわぁ〜と溢れていて、読んでいるこちらも幸せな気持ちになった。
赤糸の刺繍を使った装丁も素敵だし、出産を控えた方にプレゼントするのもよさそう。