読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

うたかた日記

流れていく日々の中で感じるよしなしごとを綴ります。

通し狂言 仮名手本忠臣蔵【第一部】 at 国立劇場

国立劇場開場50周年記念。

三ヶ月にわたる「仮名手本忠臣蔵」の完全通し上演。

 

 f:id:utakatax:20161023091410j:image


10月の第一部は、大序「鶴ヶ岡社頭兜改めの場」から四段目「表門城明渡しの場」まで。

殿中で刃傷に及び、切腹を命じられた塩谷判官。
その主の切腹の場に、国家老・大星由良之助が国許から駆けつけるのが最大の見せ場。
品良く落ち着いた中に無念をにじませる梅玉さんの塩谷判官が、哀れを誘う気高さと美しさでハマリ役。
この場面は劇場中がシーンと静まり返って、みな固唾をのんで舞台上の塩谷判官を見守っていました。

塩谷判官と対になる、すぐ頭に血がのぼってしまう短気な殿様、桃井若狭之助を演じた錦之助さんもよかった。
そのほか、左團次さんの高師直の憎々しい悪役っぷり(でも女好きなところとか可愛げもあって憎めない)、橘太郎さんの鷺坂伴内の笑える敵キャラ、隼人さんのとにかくかっこいい大星力弥と米吉さんの可愛い小波の若者カップルなどが印象に残りました。

突然、主を失って、長年勤めた城を追い出され、表門の前で押し合いへし合いしている家臣たちの様子が、会社が突然倒産してしまって狼狽するサラリーマンを見るようで、とても身につまされます。
そうそう、忠臣蔵は現代の社会でも充分通じる話なのでした。

近年では上演されなくなっている場も含めての完全通し上演。
芝居としては面白くない場面もありますが、全体として観ると登場人物一人ひとりのキャラクターや気持ちの流れが見えて、物語がよくわかってよいですね。
来月の第二部も楽しみです。

 

★Information

国立劇場開場50周年記念

通し狂言 仮名手本忠臣蔵【第一部】

10/3(月)〜10/27(木)

 

四幕九場

大序 鶴ヶ岡社頭兜改めの場

二段目 桃井館力弥使者の場

            同 松切りの場

三段目 足利館門前の場

            同 松の間刃傷の場

            同 裏門の場

四段目 扇ヶ谷塩谷館花献上の場

            同 判官切腹の場

            同 表門明渡しの場

 

【主な配役】

塩谷判官…中村梅玉

顔世御前…片岡秀太郎

高師直市川左團次

桃井若狭之助…中村錦之助

加古川半蔵…市川團蔵

本蔵妻戸無瀬…市村萬次郎

大星力弥…中村隼人

本蔵娘小浪…中村米吉

早野勘平…中村扇雀

腰元おかる…市川高麗蔵

大星由良之助…松本幸四郎