Musee:古代ギリシャ展 at 東京国立博物館
東京国立博物館で開催中の「古代ギリシャ展」へ足を運びました。
初期石器時代にはじまり、ミノス文明、ミュケナイ文明、幾何学様式〜アルカイック時代、クラシック時代、マケドニア王国、ヘレニズムとローマまで、一気に7000年もの時間を、ギリシャ全土から集めた300点超の遺物とともに俯瞰する、壮大な展覧会です。
ミノス文明の牛頭形リュトン、ミュケナイ文明の大量の黄金の宝飾品(あのシュリーマンが発掘)、クラシック時代のアテネで独裁を禁止するために行っていた陶片追放の陶片など、なかなか目にすることのできない貴重な遺物が目白押し。
ギリシア文明というと、都市国家ポリスが成立してから後、クラシック時代のイメージが強いですが、今回の展覧会では会場の半分がクラシック時代以前の時代の遺物で、大変興味深かったです。
モディリアーニの人物画のフォルムを思わせる、初期キュラクデス文明のスペドス型女性像、ミノス文明のタコや貝、魚などが描かれた海洋様式の土器など、それぞれにユニークで印象的なフォルムを持っていました。
今回、音声ガイドを俳優の市村正親さんが担当されるということで、久しぶりに借りてみました。
市村さんは各パートの冒頭部分だけ、個々の作品の解説は他の方たちが分担されていてちょっと肩すかしだったのですが、解説文を読むのって結構疲れるので、音声ガイドをお供に耳から情報を入れるのもいいなぁと思いました。
ボーナストラックの「オデュッセイアと葡萄酒色の海について」で知ったのですが、『オデュッセイア』では夕陽に照らされた海を"葡萄酒色の海"と表現しているそうです。
光景が目に浮かぶようで、ロマンティックな表現ですよね。
そんなこんなで、とても見ごたえがあって、あっという間に3時間。
サラミスの海戦、デロス同盟、ペロポネソス戦争など、高校の世界史以来の懐かしい単語も、意外と覚えているもので…。
受験勉強も、なかなかどうして、あなどれないものですね。
(受験の社会科は世界史選択)
この展覧会、海や神殿、劇場など、展示されている品に合わせた空間設計がされていて、度をしているような気分が味わえて、とても素敵でした!
これから読んでみたい古代ギリシャ本。
★Information
東京国立博物館 平成館
特別展 古代ギリシャ 時空を超えた旅
6/21(火)〜9/19(月・祝)