うたかた日記

流れていく日々の中で感じるよしなしごとを綴ります。

姪の誕生日、Livre:吉増剛造『我が詩的自伝 素手で焔をつかみとれ!』

姉夫婦の娘、姪っ子の1歳のお誕生日でした。

お祝いに、今、とっても気に入っているという絵本のシリーズ3冊セットをプレゼント。

 

だるまさんシリーズ「が・の・と」(3点セット)

だるまさんシリーズ「が・の・と」(3点セット)

 

 

この絵本、小さい子に大人気なんだそうです。

購入するにあたってちらっと中を見てみましたが、子どもだけじゃなく読み聞かせする大人も楽しめそうなユニークな絵本でした。

姉やお義兄さんと一緒にいっぱい楽しんで、物語や本が好きになってくれるといいなぁと思います。

よく「本なんて必要ない。時間の無駄。」という人がいますが、私自身は本にたくさんのことを教えてもらったし、救われたこともいっぱいあるので、大好きな姪にも本をよき友として人生を歩んでほしいと願っています。

 

 そして、こちらの本を読み終わりました。

吉増剛造『我が詩的自伝 素手で焔をつかみとれ!』(2016年、講談社現代新書)

 

 

東京国立近代美術館とNADiff galleryでの展示を見て、一気に気になる存在になった詩人:吉増剛造さんの自伝です。
といっても、彼の語りをききてである林浩平さんが文章の形にまとめたもののようで、読んでいると文字の奥からご本人の声が聞こえてくるような錯覚にとらわれました。
「おわりにー記憶の底のヒミツ」で独白されているように、合間合間に挟まった詩を交えて自伝を読み進めていくと、初期の"ドスをのんでいるような"、言葉でばっと現実や世界を切り裂くような詩から、だんだんと自分の奥深くに潜り込んでいって底から響く声を拾ってくるような詩へ、男性的な創作から女性的な創作へと雰囲気が変わっていくのが感じ取れて、大変興味深かったです。


帯も含めたデザインがすごくかっこいい一冊で、表の若き日の吉増さんに対峙する、裏の現在の吉増さんもまた素敵なのですよ…。