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うたかた日記

流れていく日々の中で感じるよしなしごとを綴ります。

街の森ツアー

ある日の休日、森の案内人、三浦豊さんの街の森ツアーに参加して、街中に生えている木々に会いに谷根千歩きしてきました。

たまたま、友達がFacebookで「いいね!」した三浦さんの記事が流れてきて、「面白そう!!」と思ったのがきっかけです。

記事を読んでいて、「この方に案内してもらって街の木々を見て歩いたら、単なる植物ガイドではなく、もっともっと深い世界を見ることができそうだな」と思ったのです。

 

そう感じたとおり、単に木の名前やその特徴を教えてくれるだけでなく、一本一本の木の個性、生き様まで伝わってくるガイドで素晴らしい体験になりました。
木が生えている環境から見えてくる、自然の営みの底知れぬ力と巧みさ、自然と私たちの関わり方や距離感の時代による移り変わり、そして土と種に刻まれた長い長い時間の記憶…。
決してお勉強っぽくはなく、軽くさらさらと、ときには毒も交えながら木について語る三浦さんに見せてもらった世界は、とんでもなく深く、広かった…。

 

とくに印象深かったのは、"潜在植生"のお話。

太古の昔から、そこに生えていた植物というのはその場所の土と相性がよく、そんなに努力しなくてもたくましく増えていくそう。

それというのも、土にはこれまでの長い長い歴史の中で積み重ねた菌たちがいて、これまでなじんできた種の遺伝子は受け入れるけれど、"よそ者"は排斥しようと攻撃するからなのだと言います。

なので、他の土地原産の植物や人間が手を入れて生み出した園芸種の植物は、わざわざ持ってきて植えないとまず根付かないし、定期的に面倒を見てあげないと、そこで育っていくのは大変。

よっぽどタフな種でないと、代々命をつないで繁殖していくところまではいかないんだそう。

 

日本について言えば、本州、四国、九州の北部は似た植生で、エノキやシイノキ、クスノキ、ムクノキ、ヤマグワ、アカメガシワなどがもともと生えていた木だとか。

確かに町を歩いていても、アスファルトの隙間や生垣の合間、ちょっとした地面からでも、彼らはたくましく生えてきていました。

 

こちらはエノキ。

ツツジの生垣の間からこんにちは。

 

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大きくなったエノキは、樹皮がゾウさんの肌のように灰色でつるっとしています。

 

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このエノキはコンクリートの間から芽吹いてここまで大きくなったと思われます。

人間の目から見ると「あれれ?」という場所でも自分にぴったりな環境に巡り会えた木はとっても生き生きしていて美しい。

 

民家の庭で大きく茂っているヤマグワ。

 

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樹齢が小さなうちは葉っぱに切れ込みを入れることで揺れやすくし、風に乗って動くことで光合成に必要な酸素をたくさん取り込んでいるそう。

う〜ん、賢い!!

 

日本に生えている木の中で一番大きくなるというクスノキ。

公園の入り口に生えていた、立派な木々。

 

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 まだまだ大きくなれるそう。

 

もとは武家屋敷の日本庭園だった公園の中を散策中、三浦さんが差し出した指にトンボがとまるという素敵なミラクルが。

 

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三浦さんのお人柄ゆえ、でしょうか。

そしてこちらの木はこのツアーのクライマックス。

 

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90年かけてこんなに大きくなった!ヒマラヤ杉です。

木の根元にはお店があるのですが、もともとはこのお店の先代のおかみさんが育てていた小さな盆栽なのだそう…。

今では軒を連ねた家々の屋根を見下ろして、この地域のドンのようにそびえ立っています。

 

この日、三浦さんに紹介してもらった木々たちは自ら動けないけれど、与えられた環境で、自分の個性を目一杯生かして、そして知恵を絞って生きていました。

愛おしく親しい隣人、草木たち。

彼らのブレのなさ、ひたむきさにカンパイ!!

 

帰りに寄った本屋さんで見かけて、思わず買ってしまいました。

 

 

東京人 2016年 07 月号 [雑誌]

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★Information

森の案内人 三浦豊さんの公式サイト

 「森の案内人」三浦豊 | 森ツアーガイドと場づくり