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うたかた日記

流れていく日々の中で感じるよしなしごとを綴ります。

Livre:三島由紀夫『夜会服』(2009年、角川文庫)

博覧強記でスポーツ万能、なんでもできるハンサムな好青年・俊男と出会い、とんとん拍子に結婚が決まる絢子。
幸せな結婚生活を送りながらも、夫の俊男、そして姑・滝川の板挟みになって、「どちらの言い分を信じたらいいの?」と頭を悩ませることに…


1966年から67年にかけて、三島のキャリアの晩年に執筆された娯楽小説。
日本の上流社会の華やかな世界にうっとり浸れる、美しい言葉で綴られた、軽やかな物語です。

 
とはいえ、やっぱり三島らしく、小説の題名にもなっている"夜会服"が象徴する、西欧文化をとにかく丸呑みしてやってきた近代日本と、そこから逃れたいと思いながらもその恩恵に預かっていることへの葛藤が物語の底辺に流れていて、『鹿鳴館』のラストシーンを思い出しました。

 

 

夜会服 (角川文庫)

夜会服 (角川文庫)