うたかた日記

流れていく日々の中で感じるよしなしごとを綴ります。

ネガティブなこともきちんと伝える

つねづね感じているのですが、たとえば飲食店で注文して、出てきたものが不完全な状態だったとき。
他の人の言動で気分を害されたとき。
こういうネガティブなことを相手にうまく伝えるのって、難しいなぁと。

あきらかに相手に非がある場合。
どちらが悪いとは言えないけれど、少なくとも自分はもやもやしていて相手に何か伝えたい場合。
いろんなケースがありますが、こういうとき、私は「自分が我慢すれば、その場がまるく収まるからいいや」と、言わずにすませてしまうことが多いです。

変に感情的になって、怒りながらだと逆効果になることもあるし、なにより「なに逆ギレしてるの?」と鼻であしらわれてしまうかもしれないのがイヤ…。
おそらく、なにか言ってみて、相手に受け止めてもらえなかったときが怖いんですね。

でも、やっぱり自分がなにかイヤな思いをしたときには、我慢せずにしっかり伝えないとな、と思わされる出来事がありました。

歌舞伎座で幕見をした帰り、老舗の喫茶どころにお茶をしに寄りました。
一杯のお茶で結構なお値段のするところです。
注文したものが運ばれてきて、飲んでみたところ、明らかに淹れた人の手際が悪いんだろうと思う出来だったのですが、いつものビクビクが顔を出し「まっ、いっか(いや、よくないけど)」と心の声を押し殺して、そのまま全部飲んでしまったんです。
で、飲み終わったカップはお店の方がさげていったのですが、それを見て、フロアのリーダーと思われる方が飛んでこられたのにびっくり。
「不完全なものをお出しして申し訳ございません。よろしければ、新しく淹れなおししたもので口直しして帰ってください」と。
老舗らしい、丁寧な対応に驚いたのももちろんですが、自分の対応がとてもまずかったことにも気付きました。

きちんと、それなりの値段を払っていながら、適当なものが出てきたとき、なにも言わずに黙っていて、自分だけでもやもやしているのは大人の対応ではないな、と。
ダメなものはダメと伝えなければ。
言い方もあるとは思いますが、こっそり黙っているのは、それなりのお値段をとってサービスを提供しているお店に対して、とても失礼なことをしていたと思いました。

もし、私がお店の人にひと言伝えていれば、お店側は謝ったり、改善したり、なにかプラスに変える余地がある訳です。
少なくとも、私とお店の間にコミュニケーションが生まれて、何かに発展していく可能性があります。

一方、今回はたまたまお店の方が気付いて対応してくださいましたが、黙っていたら、そのままだった可能性のほうが高い。
これだと、私が不愉快な思いをした経験はそこでストップしてしまい、何かにつながっていくことはありません。

ネガティブなことはあまり言いたくないし、言われる方だって嫌でしょう。
でも、黙っていてはそれっきり。
よくなることはありません。

相手に受け止めてもらえるよう、言い方に気を付けつつも、ネガティブなことでもきちんと伝えていこうと思う出来事でした。