フランスの旅、7日目①〜美の殿堂、ルーブル美術館へ
フランス旅行最終日、7日目は世界三大美術館のひとつ、ルーブル美術館へ!
開館時間の9時半に間に合うよう、美術館までやってきました。
メトロを降りて案内板に従って進むと、いつの間にか逆さピラミッドのある広場まできていました。
有名な逆さピラミッドピラミッド。
朝イチということもあるのか、ほとんど人がいません。
入場まで長い行列が出来てとても待つ、と聞いていたのですが、開館時間直後に行ったからなのか、チケットを買うのも、簡単なセキュリティチェックを受けて中に入るのも、ほとんど待つことはありませんでした。
これが気になっていたので、借りてみました。
写真を撮り忘れてしまったのですが、本当にあのゲーム機そのまんま。
中のソフトはルーブル美術館のガイドになっていて、使用言語を選択すると、美術館全体の地図と自分が今、どこにいるのかを教えてくれます。
作品タイトルや作品番号を使って、さまざまな案内をしてもらえます。
・お目当ての作品を指定して、その作品までのルートを案内してもらう
・気になった作品の解説を聞く
・画家名から作品を所蔵作品や展示場所を探す
などなど。
ルーブル美術館、とっても広いので、方向感覚がイマイチの私には今どこにいるのか教えてくれる機能が便利でした。
普段、日本で美術館に行ったとき、オーディオガイドを借りる習慣がないので、解説を聞きながら絵を見るのがとっても新鮮。
借りるにはパスポートなどの公的な身分証明書が必要です。
値段は5ユーロ。
各入口に貸し出し窓口があって、身分証明書と引き換えにオーディオガイドを借ります。
借りたところと同じ窓口に返却すると、預けた身分証明書を返してもらえる、というシステム。
どの作品もフラッシュさえたかなければ撮影自由。
これだけの圧倒的なコレクションを、こんな良心的な価格、条件で観ることができるのですから、次に続く人たちに引き継げるようにマナーを守って大切に鑑賞したいですよね。
ドゥノン翼のイタリア絵画のコレクション、ドラクロワやアングルなどフランス・ロマン派の絵画を中心に飾られたグランドギャラリーまでは、たくさんの人がいました。
が、ほとんどの人は主にここら辺のコレクションを観て、帰ってしまうのか、その後、同じドゥノン翼のスペイン絵画、イギリス絵画を見、リシュリュー翼に移動してドイツ、オランダ、フランドルの絵画を見ているときは、ほとんど人と出会いませんでした。
気になった絵を、解説を聞きながらじっくり観ていると、時間が経つのがあっという間で、気が付いたら開館時間の9時半から15時過ぎまで、お昼ごはんも食べずにぶっ通しで絵を見続けていました…。
それでも、絵画のめぼしいものだけ。
古代美術や彫刻はほとんどパス。
かろうじて、「これだけは…」と思って、サモトラケのニケ、ミロのビーナスは観ました。
よかった作品、ベストスリー。
第3位
ポール・ドラローシュ
若き殉教者の娘(1855年)
イギリスの画家、ミレイの「オフィーリア」を彷彿とさせる絵ですね。
こちらの方が静謐な美しさがあって好きです。
第2位
※決めかねて、2点あります。
テオドール・ジェリコー
メデュース号の筏(1818〜1819年)
ウジェーヌ・ドラクロワ
フランスという国にとって、最も重要な作品が展示されているグランドギャラリー。
そのグランドギャラリーのなかでも、目立つ場所に並んで飾られている二枚の絵。
このところ、激しく自己を主張した、いわゆる芸術家というイメージが生まれてからの画家の絵よりも、もっと縛りのある中で描かれた近代以前の絵に惹かれていました。
が、情熱が迸り、激しく自己を叫んでいる、このドラマティックな二枚の絵に、とても心を揺さぶられました。
この二枚はあまりにも有名なので、いろんなところで目にしていましたが、やはり実物の持つパワーは偉大です。
構図、色彩など、本当に見事。
またフランス革命を経験し、古い諸々のくびきから離れ、「個」を意識して主体的に生きていくことがよしとされるようになった、現代にもつながる時代の空気がビリビリ伝わってきて、血湧き肉躍るといいますか、内側からパワーが湧き上がってくる絵でした。
第1位
"勝利の女神が船の舳先に舞い降りる"、まさにその一瞬を形にした彫刻。
風になびく衣。
少しひねった腰のくびれ。
はばたくのをやめようとしている羽。
船の舳先に触れた足先。
一瞬に宿る美を、これほど圧倒的な濃度で表現したものはないのではないでしょうか。
本当に美しい彫刻です。
オーディオガイドを聞いて知ったのですが、サモトラケのニケは、発掘時バラバラになってしまっていた小さなパーツを、一つひとつつなぎ合わせて、往時の姿に再現された彫刻なのだそうです。
最近まで修復作業が行われていて、今年の夏頃、新たなサモトラケのニケがお目見えしたとのことです。
パーツを洗浄したことで汚れが取れ、女神と船の部分が産地の異なる、別の色の大理石で作られていることがはっきりわかるようになっています。
羽の部分も、本体に組み込むことができずに残されていたパーツを入れることができ、より立体感が増したとか。
感動的な美しさの背景には、地道な修復作業に尽力されたスタッフの見事な仕事もあったんですね。
ルーブル美術館は素晴らしい絵画の数々はもちろんのこと、建物そのもの、また外の景色も見事でした。
サロン・ド・カレ。
彫刻とともに歴代の偉大な芸術家の名前が掲げられています。
天井からたくさんの光が降り注ぎ、絵画鑑賞にぴったりの部屋。
窓の外にはセーヌ川。
アンリ2世の階段。
天井の装飾のデザインが凝っていて、素晴らしい!
これだけでひとつの美術品。
カルーセルをのぞむ。
遠くにエッフェル塔が見える、パリらしい風景。
ラスト。
サモトラケのニケが飾られた階段の踊り場。
ルーブルを象徴する場所のひとつ。
Au revoir!
また、来る日まで!