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うたかた日記

流れていく日々の中で感じるよしなしごとを綴ります。

Musee:SHUNGA 春画展 at 永青文庫

アート
日本ではじめて、春画を全面的に取り上げて、大いに話題になっている展覧会です。

もともと、"世界が、先に驚いた。"というチラシのキャッチコピーのとおり、大英博物館で行った春画展が大評判となり、「じゃあ日本でも」となったところ、テーマがテーマなだけに場所を貸してくれる美術館がない。
断られ続けて、ようやく展覧会の趣旨に理解を示してくれ、会場とすることを承諾してくれたのが、元・内閣総理大臣細川護煕さんが理事長を務めている永青文庫
と、多くの人たちの尽力があってなんとか開催までこぎつけられたという展覧会。

努力の甲斐あって、連日大盛況と聞きます。
私が行ったのは平日でしたが、開館時間9時半のところ11時少し前にいったら、入場まで待つことはなかったものの、会場内は人でいっぱい。
ガラスケースの手前で見たいと思ったら、列に並んでじっくり待たないと無理、という状況でした。

こちらが会場になった永青文庫

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18歳未満は入場できません。
建物の4階から2階まで順に展示室となっており、会場は狭いですが、昔の書庫館の雰囲気がとても素敵で、こっそり隠れてみる春画のテイストにあっているように感じました。

さて、こちらの展覧会ですが、5部で構成されています。

プロローグ
Ⅰ.肉筆の名品
Ⅱ.版画の傑作
Ⅲ.豆版の世界
エピローグ

プロローグでは、目線を交わし合って色っぽい雰囲気になる二人の絵が紹介されています。

そして、肉筆画へ。
春画は古くは平安時代から存在しているそうで、もともとは貴族や武士などの特権階級の人々のために、絵師が一枚一枚手で描いていたとのこと。
鎌倉時代から江戸時代までの品が見られます。
髪の毛や着物の柄に至るまで、一筆一筆丁寧に描かれていて、金箔など贅沢な画材をたっぷり使った見事な品が多く、とても見応えがありました。

一つひとつ、手で描かれていたものが、江戸時代に入ると版画を使って量産されるように。
菱川師宣、鈴木春信、月岡雪鼎、鳥居清長、喜多川歌麿葛飾北斎など、浮世絵でおなじみの面々の作品が展示されています。

版画になると、余白に言葉が書いてあったりするのですが、歌麿はやっぱり粋な趣味人、言葉も少なく圧倒的な構図で魅せるタイプ。
一方、北斎は余白を埋め尽くすかのように、どんな設定なのかがわかるような言葉がぎっしり書き込まれていて、ちょっとシツコイほど。
など、それぞれの絵師の個性が炸裂していて、見比べるのが楽しいパート。
エロって、もっともパーソナルな部分なので、その人そのものが滲み出ますね…。

そして、豆版の世界。
縦9㎝、横13㎝の小さな世界に、エロが凝縮されています。
こちらもこれまでの春画同様、いろんなバリエーションがあって、大変面白いです。

エピローグは、会場になった永青文庫所蔵の春画を。
源氏物語」のパロディー、歌川国貞の「艶紫娯拾餘帖」は保存状態がいいのでしょうか。
色が鮮やかでとても綺麗でした。

もともとこっそり隠れて見る性質のものということもあるとは思いますが、どの作品も保存状態がよくて、とても美しかったです。
鈴木春信の「風流艶色真似ゑもん」、鳥居清長「袖の巻」、喜多川歌麿「歌まくら」など、傑作と呼ばれる版画たちを、刷りあとくっきり、色鮮やかな状態で鑑賞することができます。

全体をとおして思ったのは、たしかにエロがテーマで男女、男性同士、女性同士、複数などなど、バリエーションはさまざまあれど、どの絵も描かれた人同士に心の通い合いのようなものが感じられ、嫌な印象はありません。
思い思いに楽しんでいるのが伝わってきて、むしろ好ましく感じられました。

見に来ている人も老若男女幅広く、私のように一人で来ている人もいれば、友達同士、カップルなどいろいろ。
とくに年配の方から若者まで、カップルが結構いて、絵を見ながらお互いにあれこれ話しているのは、とても微笑ましい光景でした。
こういうものを恥ずかしがらずに楽しみあえる関係って、「仲が良いんだな〜」というのが伝わってきて素敵だと思いましたよ。

別館では春画グッズが販売されていました。

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4000円する大充実の図録をはじめ、絵葉書やエコバッグ、Tシャツなど、趣向を凝らしたユニークなグッズがたくさんありました。
が、結局何も買わず。

会場は人でいっぱいだったので、常に周りを気にしながらの鑑賞でとても疲れました。
これから会期終了に向けて、ますます混雑すると思われますので、早めの鑑賞を、そして朝イチでの来館をおすすめします。

★Information
東京都文京区目白台1-1-1

SHUNGA 春画
9/19(土)〜12/23(水・祝)