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うたかた日記

流れていく日々の中で感じるよしなしごとを綴ります。

活版印刷とポートランド

手紙舎さんの「ハロー! 表現の学校」で、アメリカ・ポートランドにあるStumptown Printersという小さな印刷工房の創業者、エリック・バグドナスさんの話を聞いてきました。

彼らは活版印刷などの昔ながらの印刷スタイルで、主にCDやレコード、カセットテープなど、音楽関係のパッケージを作っているそう。

オフセットと活版、それぞれの印刷の強みを上手く組み合わせて作ったジャケットはものすごくかっこよかった!
インクをそれぞれ調合していく手間はかかるけれど、微妙な色が出せるので、spot color(特色)をよく使っているとのこと。

面白い話がいっぱいでしたが、印象に残ったことをいくつか。

・使う紙の8割くらいがノンコートの再生紙。環境にやさしいのはもちろんだけど、繊維の残った質感が素材として面白い。

・切り込みを工夫して、糊を使わずに組み立てられるようにデザインしている。これも環境への配慮。

・古い印刷機はそれぞれに個性がある。何度か使ううちに付き合い方のコツがわかってくる。

・古い機械のよさは音で調子の良し悪しがわかること。パーツがすぐ手に入るので、直しやすい。なによりかっこいいし、一緒に働くのが楽しい。

・今、常にいるメンバーは6人。仕事の分担は特に決まっていなくて、やりたい人がやりたいパートをやる。その仕事をやりたいと思えるかどうか、気持ちが大事だから。

・一色刷るたびにしっかり乾かす時間が必要なので、たくさん色を使うとそれだけ時間がかかる。僕たちの仕事は、決して早くはなく時間がかかる。

エリックさんはもともとパンク音楽をやっていて、大学でデザインの勉強をするかたわら、印刷会社でアルバイトをしていたそう。
ZINE作りがきっかけでStumptown Printersを立ち上げ、今に至ると。

今、注目を集めているポートランドのカルチャー。
その中心的人物となっているエリックさんですが、とにかく自分が面白いかどうか、心地よいと思えるかどうか、を大切にしてきた結果、今の彼らの仕事の形になっているのだな、というのを強く感じました。
あくまでも自然体で、さらっとした姿勢。

そしてなによりも、自分のしていることすべてに愛があるんですよ!
エリックさんの言葉ひとつひとつに、印刷をとおしたものづくりへの愛が溢れていて、話を聞いているだけで「私もなにか作りたい!」とわくわくしました。

★Information
本とコーヒー tegamisha
東京都調布市菊野台1-17-5 1階
Tel 042-426-4383

「ハロー! 表現の学校」
講師:エリック・バグドナス(Stumptown Printers創業者)