うたかた日記

流れていく日々の中で感じるよしなしごとを綴ります。

フランスの旅、2日目④〜モンサンミッシェルが島になる瞬間を目撃

ひとまず夜ごはんは諦めて、モンサンミッシェルが満潮を迎え、完全な島になる瞬間を見るために、シャトルバスに乗ってモンサンミッシェルの手前まで移動しました。

これまで、モンサンミッシェルの周りに造られたさまざまな建造物の影響で潮の流れが変わり、長い間完全な島になったモンサンミッシェルを見ることはできませんでした。
それを、往時の姿を見られるようにしようと工事が始まり、今年2015年3月の工事が終わったばかり。
工事完了後、初の大潮の時にはニュースでも取り上げられていましたよね。

現在は月に2回、新月と満月のときに起こる大潮の満潮時に、昔と同じようにモンサンミッシェルが完全な島になった状態を見ることができます。
私が訪れた日は満月。
この瞬間が見たくて、わざわざモンサンミッシェルで一泊することにしたのです。

モンサンミッシェルの手前にかかった橋の上でバスを降りると、何度も写真で目にした姿そのままのモンサンミッシェルがありました!
近くで見ると迫力があって感激!!

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そして橋の上にはわたしと同じようにモンサンミッシェルが島になる瞬間を目撃しようと、すでにたくさんの人が詰めかけていました。
対岸のモンサンミッシェルの島の高台にも、人が人がたくさんいます。

ひたひたと押し寄せる波の音、鳴き交わすカモメ、ほどよい強さで吹く風など、とても気持ちがよくて、ぼ〜っとしながらそのときを待ちました。

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写真の左側に島に渡る道があるのですが、このときはまだ地面が見えていて、人が行き来していますね。

満潮の時間が近づいてくると、ものすごいスピードで潮が満ちてきて、バチャンバチャンと波が橋に打ち付ける音が響いて、安全だとわかってはいるものの怖いです。
モンサンミッシェルの潮の満ちるスピードは馬の駆け足と同じだといいますが、本当にそのくらいのスピードと威力を感じました。

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すごい勢いで迫ってくる波。
あっという間にモンサンミッシェルへの道は波に飲み込まれ、完全な島になりました。

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一応、危険な事態になるのを防ぐため、海軍の人たちが警備にやってきていました。
潮が満ちてくると、「Attention!!」と声がけはしているものの、真剣さはなくゆる〜い感じ。

勢いよく潮が満ちるためか、海水はすごく泡立ち、追い出されて居場所がなくなってしまうのか、ものすごくたくさんの虫が舞っています。
実際に来てみないとわからないことを、たくさん感じたひとときでした。

その昔、「モンに行く時には遺言を書いて、財産を置いていけ」と言われていたそうですが、本当にあっという間に潮が満ちてくるので、大丈夫だと思って歩いていたら波に飲み込まれてしまった人がたくさんいたんでしょうね。
今はモンサンミッシェルへの道は舗装されていてきれいですが、昔は全部干潟なので砂地を歩いて行くのは足元が不安定で相当大変だったはず。
まさに命がけの巡礼地です。

満潮を迎え、モンサンミッシェルが島になった後、日が沈みました。
このあと、波が引くまで待って夜のモンサンミッシェルを歩きます。