うたかた日記

流れていく日々の中で感じるよしなしごとを綴ります。

東大散歩

ルヴェソンヴェールで行われたCha Tea 紅茶教室さんのランチ会のあと、せっかくなのですぐ近くにある東京大学 本郷キャンパスの中を散策してみました。

まずは正門から入って、まっすぐ安田講堂までのびる銀杏並木。

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両脇は雰囲気のある古そうな建物が並んでいます。

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建物の壁の少し黄味がかった独特の色が美しい。
秋、銀杏が黄葉すると、本当にきれいで絵になる通りです。

安田講堂の前の芝生広場を右へそれて、三四郎池へ。
都心とは思えないほど、たっぷりした緑の空間。

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東大の本郷キャンパスはもともと加賀藩・前田家のお屋敷だった土地が政府のものになり、大学のキャンパスになったところ。
この三四郎池は、加賀藩のお屋敷時代からお庭にあった池で、「心」という形をしていることから「心字池」と呼ばれていたそう。

今、三四郎池と呼ばれているのは、夏目漱石の小説『三四郎』にちなんで。
主人公の三四郎が東大生で、東大のキャンパスも小説の中にたびたび登場しています。

漱石は大好きな作家のひとり。
『三四郎』は甘酸っぱい青春のもやもやが、ロマンティックな文章で綴られていて、漱石作品の中でもとくに好きな小説です。
この小説に登場するヒロイン、美禰子さんが謎めいていて素敵なんですよ!
高校生の頃、三四郎と美禰子さんのやりとりが描かれた部分を、何度も読み返してはうっとりしたものです。

そんな三四郎池には水が流れ込んでいて、鯉や亀、小さな魚などがおり、近所に住んでいる親子連れの憩いの場にもなっていましたよ。

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三四郎池をあとにして、赤門のほうへ。
雰囲気のある休憩スポット。
これも古そうな建築物です。

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こんなベンチに腰掛けて、のんびり本でも読めたら素敵ですね〜。

マンホールも、東大構内であることを主張しています。

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赤門の近くに、今、注目されている産学協同商品といえばいいのでしょうか、東大の研究成果をもとに作られた商品やグッズを販売しているショップがあります。

そこに、レゴ研究会が製作した力作・赤門が!
レゴブロックで見事に再現されています。

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そして、赤門の実物。

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門から続く海鼠壁の塀と、手前の白砂の空間がまるでそこだけ江戸時代にタイムスリップしてしまったかのような佇まい。

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この門は11代将軍・徳川家斉の娘、溶姫(やすひめ)が前田家にお輿入れしたとき、姫君のために作られた門とのこと。
朱塗りの門って派手に思いますが、江戸時代、将軍家の子女が大名家に嫁ぐときには、朱塗りの門を作って迎え入れるのが慣例だったそうですよ。
焼失してしまったりなどして、残っているのは珍しいとのことで、重要文化財に指定されています。

赤門から東大の外へ。
のんびり歩いて30分ほどでしたが、歴史があって雰囲気たっぷりの建物の数々があり、鬱蒼とした緑の空間あり、そして最先端の学問の一端を垣間見ることのできるスペースありと、なんとなく歩いていても楽しいキャンパスでした。

三四郎池の名前の由来になった夏目漱石の小説。

三四郎 (新潮文庫)

三四郎 (新潮文庫)


歴史小説家・司馬遼太郎の「街道をゆく」シリーズ。本郷界隈。
ちょっと渋いですが、本郷に散歩に出かけるまえに読むと、より町歩きが楽しくなるおすすめの一冊。