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うたかた日記

流れていく日々の中で感じるよしなしごとを綴ります。

Livre:辻村深月『ぼくのメジャースプーン』(講談社文庫)

会社の同僚に「オススメの本を教えて!」といわれて、森見登美彦さんの『ペンギン・ハイウェイ』を貸したら、そのお礼として貸してくれた本。

不思議な力のある声を持った、小学校四年生のぼくが主人公。幼なじみの女の子ふみちゃんが、ある痛ましい事件に巻き込まれて心を失ってしまい、そのきっかけを作った犯人に復讐したいと戦うお話。

どうすれば罪を裁いたことになるのか? 罪を裁くことは本当にできるのか? など、善悪の深いテーマについての物語です。

小学校四年生のぼくの視点から描かれるので、ものの見方や感情がとてもみずみずしくてピュアで、自分の子どもの頃の気持ちや感覚を思い出しました。子どもが語り手だからなのか、重いテーマを扱いながらも、決して重苦しさはなく、全体的にさらっとしています。テーマは全面に押し出されている訳ではなく、あくまでも物語の中で自然に語られているので、押し付けがましくないんですよね。

じわりじわりとエピソードを積み重ねて伏線をはって、最後の50ページくらいで、種明かしのようにがらっと物語のトーンが変わり、そこからぐぐっと引き込まれて一気にラストまで。

タイトルに入っている「メジャースプーン」もいろいろな意味合いを持たせて、物語の随所に小道具として登場し、物語に深みを与えています。

最近の作家はあまり読まないのですが、この小説はこれまであまり読んだことのないタイプの物語で面白かった! 

新しい作家と出会うきっかけをくれた同僚に感謝です。

ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)

ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)


ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)

ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)