アンじゃなくても、名前は大事
昨年2014年に放映されて話題になったNHK朝の連続テレビ小説「花子とアン」の主人公、村岡花子さんが翻訳した世界的ベストセラー『赤毛のアン』。
物語の主人公アンは名前に並々ならぬこだわりがあって、自分を「Ann」ではなく「Anne」と呼んでほしいとお願いしたり、「薔薇は薔薇という名前でなくても甘く香るっていう言葉があるけど、そんなことはないと思うわ」と言ったり、名前にまつわるエピソードがたくさん出てきます。
たくさんの年賀状を書いたりもらったりするなかで、アンほどではないけれど、やっぱり名前は大事だとつくづく思いました。
今年ははじめて、会社の人全員に年賀状を出しました。そこではじめて知る、いつも一緒に働いている人のファーストネーム。
よくある読み方と漢字の人もいれば、読み方は普通でも漢字にひとひねりあったり、少し凝った名前の人も…。
どんな名前であれ、一般的な読み方の範囲を外さないっていうのは大事ですね。
難しい漢字を使っていたり、「これ、なんて読むんだろう?」っていう名前の人は、正直あんまり印象に残りません。
そこで思ったのが、いわゆるキラキラネームをもらった子ども。親として、子どもに凝った名前を付けたい!という気持ちは理解できなくはないですが、子どもは新しい出会いがあるたびに、「ねえ、名前、なんて読むの?」とか「どんな漢字を書くの?」と聞かれ、そのたびに説明しなきゃいけない。そのストレスを想像するだけで可哀想になります。
自分の名前がわかってもらえず、その都度説明が必要って、ものすごいストレスだと思います。まず、出会いのはじめからつまづいてますものね。また名前は自分という存在そのものを表すもの。それが理解してもらえないというのはアイデンティティの問題にもつながります。だから、キラキラネームをつけるのは子どもへの虐待になるのではないかと思うのです。
今はとくに規制がないですが、親の良識に任せずになにかガイドラインをもうけたほうがいいのでないかと、キラキラネームが話題になるたびに考えてしまいます。
名前はありきたりでいい。普通が一番。親からごく平凡な名前をもらった私はそう思います。
アンは「アンなんて平凡な名前はイヤ」って言ってたけれどね…。
言葉が作りあげる世界観が素晴らしく、翻訳の妙を味わえます。
- 作者: ルーシー・モード・モンゴメリ,Lucy Maud Montgomery,村岡花子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/02/26
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