うたかた日記

流れていく日々の中で感じるよしなしごとを綴ります。

長岡・宮内の町並みと機那サフラン酒製造本舗

ラーメンでお腹がふくれたあとは、

 長岡・宮内の町歩き。

 

 駅前のロータリーからのびる大通り沿いに歩いていくと、

なかなか風情のある、懐かしい雰囲気のお店が続く商店街です。

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駅から歩くこと10分弱。

機那サフラン酒製造本舗の建物に着きました。

ここは戦前、機那サフラン酒の製造で一代にして巨額の財を成した、

吉澤家の家と蔵です。

機那サフラン酒はその名のとおり、サフランを使った薬用酒で、

一時はあの養命酒と人気を二分し、ハワイにまで輸出されていたそうです。

贅を尽くして作られた家と土蔵、そして日本庭園は、

田中角栄氏はじめ、地元の名士たちがわざわざ車を降りて見に来るほどだったとか。

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そんな吉澤家の財を注ぎ込んで作られたのが、

極彩色の鏝絵(こてえ)で飾られた蔵。

鏝絵は左官が壁を塗るときに使う鏝を使い、

漆喰を重ねて立体的に描かれた絵です。

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今も色あせることなく、

目のさめるような極彩色の見事な鏝絵で飾られた土蔵。

本当に美しくて、ため息が出ます。

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こんなに素晴らしい建物なのですが、

保存活動がはじまったのはごく最近、中越地震の後あたりとのこと。

現在、長岡造形大学の教授などの協力を得て、

研究もかねての保存活動が行われているそうです。

 

離れには欅の一枚板を贅沢に使った廊下があり、

日本庭園は、わざわざ佐渡島から取り寄せた石が使われているなど、

土蔵だけでなく、そのほかの建物も価値のあるものばかりらしいので、

ぜひ修復して、公開までこぎつけてほしいと思います。

 

家に帰ってから調べてみたら、吉澤家は現在は新潟銘醸株式会社として、

長岡市のお隣、小千谷市で蔵元としてお酒を作り続けていました。

機那サフラン酒もまだ製造されているそう。

今はサフランは使われておらず、薬用酒ではなくリキュールらしいのですが、

機会があったら、ぜひ飲んでみたいものです。