うたかた日記

流れていく日々の中で感じるよしなしごとを綴ります。

なんて素敵な女性がいたものだ〜半澤鶴子さん

2017年、新しい年の1日目。 NHKのETV特集アンコール、「女ひとり 70歳の茶事行脚」を観ました。 茶事は千利休が考案したものと言われ、懐石料理とお酒でのもてなしから茶席まで4時間に及ぶお茶会。 この茶事を依頼に応じて催す、出張茶事の第一人者として知…

Livre:川上未映子『きみは赤ちゃん』(2014年、文藝春秋)

川上未映子『きみは赤ちゃん』(文藝春秋、2014年)を読み終わる。 その予定はないけれど、「妊娠出産ってどんなものなんだろう?」と思って手にとった一冊。芥川賞作家の川上未映子さんが、夫である同じく作家の阿部和重さんとの間に授かったお子さんが1歳を…

Cinema:ミルピエ〜パリ・オペラ座に挑んだ男〜

「ミルピエ〜パリ・オペラ座に挑んだ男〜」を鑑賞。20年近く芸術監督を務めたブリジット・ルフェーヴルの後任として、史上最年少でパリ・オペラ座の芸術監督に就任した振付家のバンジャマン・ミルピエ。芸術監督として初めて手がけた新作「クリア、ラウド、…

2016年のクリスマスケーキ

毎年「どこのにしようかなぁ」と、選ぶのも楽しみなクリスマスケーキ。2016年は等々力にあるPâtisserie Asako Iwayanagiで、気になるケーキをカットで3個買う。 まず一つ目。今年のスペシャリテ"vertnoël"は、ピスタチオを生地にもクリームにもたっぷりとつ…

歌舞伎座 十二月大歌舞伎 第一部「あらしのよるに」

今年の芝居おさめは歌舞伎座で。十二月大歌舞伎 第一部「あらしのよるに」を通しで幕見。きむらゆういち・作、あべ弘士・絵の同名の絵本を歌舞伎化したもので、昨年、京都・南座で上演されて大好評だった作品の再演。 「ともだちなのにおいしそう」嵐の夜に…

結婚とか出産とか子育てとか

火曜日。 週末に会った友達から激烈に勧められて、ダイジェストをみて、最終回のみリアルタイムで鑑賞したドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』。 星野源演じる元プロの独身・平匡さんの、お互いにフェアな関係を築こうと、とことん話し合い、努力する姿勢にう…

旧白洲邸武相荘

冬らしくからっと晴れて、雲ひとつない青空の休日。友人と鶴川にある旧白洲邸武相荘へ。 江戸時代に建てられたという、茅葺き屋根に「田」の字型の養蚕農家だったお宅は、白洲次郎・正子夫妻の長い年月をかけた手入れによって、趣味よく居心地のよい住まいに…

「藤田嗣治展ー東と西を結ぶ絵画」at 府中市美術館

東京美学校時代にはじまり、日本国籍を放棄、フランス国籍を取得して宗教画や教会建設に打ち込んだ晩年まで、藤田の画業を年代順に振り返る回顧展。 「乳白色の下地」と表現される美しい白い面に、面相筆で引かれた細くて美しい黒い線。藤田を一躍パリの寵児…

「仮名手本忠臣蔵」に見立てた幕の内弁当

国立劇場の「仮名手本忠臣蔵」【第三部】。 芝居の幕間、劇場の食堂で予約しておいたお弁当をいただく。 芝居の演目「仮名手本忠臣蔵」八段目から十一段目までに見立てた料理が詰まった忠臣蔵弁当。献立に書かれた「お料理に使用しておりますのは、"赤穂の塩…

通し狂言 仮名手本忠臣蔵【第三部】 at 国立劇場

国立劇場開場50周年記念。 三ヶ月にわたる「仮名手本忠臣蔵」の完全通し上演。12月の第三部は、八段目「道行旅路の嫁入」から十一段目「花水橋引揚げの場」まで。 塩谷判官が高師直に斬りかかったとき、それを止めた加古川本蔵。その一件がもとで本蔵に振り…

クリスマスのアフタヌーンティー

毎年楽しみにしている、紅茶専門店ジークレフ(TEA MARKET Gclef)のクリスマスプレート。 今年は創業20周年を記念してアフタヌーンティーセットにグレードアップ。 今週、誕生日を迎えたこともあって、バースデーケーキ代わりにこちらを楽しみに。 ※写真はTEA…

Cinema:ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

月に一度の映画の日。12月は「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」(2016年、アメリカ)を鑑賞。 ハリー・ポッターの新シリーズ × エディ・レッドメイン演じる主人公の組み合わせ。これは楽しそうな予感、と思って。舞台は1920年代、熟れた果実のよ…

人に言われて気づくこと

自分ではそうと自覚していなくても、人から指摘されて気づくことってありませんか? 今日、ふと、そんな気づきがありました。 姉や母から見ると、私は"花柄好き"という印象があるらしく、2年前の誕生日にプレゼントしてくれたのはローラ・アシュレイの花柄の…

大仙厓展ー禅の心、ここに集う at 出光美術館

出光美術館開館50周年の記念展。 まだまだ続いています。 大仙厓展は笑いとユーモアあふれる、ゆるかわな絵で知られる禅僧・仙厓の絵が大集合。出光美術館、初代館長・出光佐三さんの初めてのコレクションは、メインビジュアルに使われている「指月布袋図」(…

念願のニワコヤ映画祭

"映画を観て、映画にまつわるごはんをみんなで食べる"がコンセプト。移動映画館 Kino Iglu × 仙川のカフェ ニワコヤ × 山フーズのコラボによるイベント、ニワコヤ映画祭2016に参加してきました。 いつも終わってしまった後に気づいて悔しい思いをしていて、…

笑いを描いた能〜「三笑」

国立能楽堂 十一月 普及公演を観てきました。 狂言 二人袴(大蔵流)、能 三笑(観世流)です。 ※毎月美しい国立能楽堂のチラシですが、今月はとくに素敵です。 紅葉柄なんですが、もみじ葉が"いかにも!"な鮮やかな紅色ではなく緑や青からのグラデーションにな…

明日館レストラン・秋

ずっと行ってみたいと思っていた明日館レストラン。 東京・池袋にあるフランク・ロイド・ライトと弟子の遠藤新の設計による建物、自由学園明日館。 かつて学校の食堂として使われていた部屋がこの日限りのレストランになるというイベントです。 春夏秋冬、年…

Livre:原民喜『夏の花・心願の国』(新潮文庫、1970年)

長患いの末、終戦の前年に亡くなった妻との日々を綴った作品群、被爆直後の広島の街と人々の様子を記録した『夏の花』三部作、そして『心願の国』や『鎮魂歌』など亡くなる直前まで執筆していた作品を収めた一冊。編集と解説を担当しているのは大江健三郎。 …

通し狂言 仮名手本忠臣蔵【第二部】 at 国立劇場

文化の日。三ヶ月にわたる「仮名手本忠臣蔵」の完全通し上演の第二部を鑑賞してきました。 11月の第二部は、浄瑠璃「道行旅路の花聟」から七段目「祇園一力茶屋の場」まで。 五、六、七段目と今でもよくかかる人気の場面です。色に耽って主君の大事の場に居…

シネマ歌舞伎「スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース」

スクリーンで楽しむ歌舞伎=シネマ歌舞伎に、「スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース」が登場! 上演中、あちこちで「面白い!!」と大評判だったこちらの舞台。 観に行かなくて後悔していたので、シネマ歌舞伎で気軽に観ることができて嬉しいです。 宙乗りや本水を使…

平安の秘仏 滋賀 櫟野寺の大観音とみほとけたち at 東京国立博物館

平安時代に作られた貴重な仏さまたちに会いに上野へ。 普段は厨子の中に大切におさめられている秘仏、5メートルを超える十一面観音さまを中心に、これまた大きな薬師如来など、お寺に伝わる平安時代の仏さまがぐるりと取り囲むようにひと部屋にぎゅっと集め…

10月の紅茶教室〜ミルクティー研究

久しぶりの紅茶教室へ。テーマは「ミルクティー研究」。 茶葉の種類(ニルギリ、ダージリン、アッサム) ジャージー牛乳と低温殺菌牛乳 ブレンドとクオリティ ティーバッグとリーフなどなど、いろんな条件で入れたミルクティーを飲み比べ。 ていねいに飲み比べ…

Cinema:君の名は。

公開直後から大ヒット。 興行成績を伸ばし続けているこちらの作品。 今さら感たっぷりですが、ようやく観に行けました。 新海誠監督の作品らしく、絵がとってもきれいで、きれいすぎて、ずーっと夢を見ているような、あの世から眺めているような光と色彩。影…

懐かしいキャラクターたちとスクリーンで再会

大好きな、大好きなアニメーション「雲のように風のように」映画並みのクオリティで作られ、CMなしでTV放送されたスペシャル・アニメ。 飯田橋ギンレイホールで開催中の、神楽坂映画祭2016『新潮社から生まれた名作映画たち』の企画で1回限りで上映するのを…

通し狂言 仮名手本忠臣蔵【第一部】 at 国立劇場

国立劇場開場50周年記念。 三ヶ月にわたる「仮名手本忠臣蔵」の完全通し上演。 10月の第一部は、大序「鶴ヶ岡社頭兜改めの場」から四段目「表門城明渡しの場」まで。殿中で刃傷に及び、切腹を命じられた塩谷判官。その主の切腹の場に、国家老・大星由良之助…

沈黙は無ではない

以前に比べて「はじめまして」の機会が圧倒的に増えたこの頃。 もともと人見知りが激しいし、話すのがあまり得意ではないので、人と打ち解けるのにものすごく時間がかかる。 初めてでもあっという間に相手の気持ちをつかんでしまって、誰とでもすぐに仲良く…

1泊2日の三島&沼津旅 1日め②〜香貫山トワイライトツアー

沼津駅で仕事の都合で後からやってきた友人と合流し、香貫山ハイクでトワイライトCafe&沼津で港めしツアーに参加。 沼津生まれ、沼津育ちのあやぞうさんがガイドしてくれる、沼津の魅力を満喫できる半日ツアー。 こんな行程です。沼津を街歩きしながら香貫山…

1泊2日の三島&沼津旅 1日め①〜柿田川公園

週末、1泊2日で静岡県東部、三島と沼津へ行ってきました。 まずは東海道新幹線に乗って三島へ。 当日は快晴。 三島駅では見事な富士山が迎えてくれました。 三島駅からバスに乗って、柿田川公園へ。あちこちから富士山由来の水が湧いて、川がはじまるところ…

鈴木其一 江戸琳派の旗手 at サントリー美術館

江戸琳派の創始者、酒井抱一の高弟・鈴木其一の初めての大規模な回顧展です。 これまでメインで取り上げられることのなかった其一の作品が、掛け軸、巻物、屏風に扇、羽子板や凧などの雑貨まで、日本中はもちろん海外からも大集合。 求められるままにさまざ…

増上寺の薪能

毎年9月の最終土曜日に開催されているという増上寺の薪能。 (※今年はカレンダーの並びの関係で10/1に実施) 御本尊である阿弥陀如来に奉納するために行われるもので、今年で33回目だそう。 ひょんなことからその存在を知り、体験してきました。 鑑賞にはチケ…