うたかた日記

流れていく日々の中で感じるよしなしごとを綴ります。

映画

「歌舞伎役者 片岡仁左衛門 登仙の巻」

国立映画アーカイブ開館記念のアンコール特集から「歌舞伎役者 片岡仁左衛門 登仙の巻」を観てきました。13世片岡仁左衛門を追ったドキュメンタリーの最終巻です。 「荒川の佐吉」政五郎、「楼門五三桐」石川五右衛門、「菅原伝授手習鑑」車引の時平、「御浜…

シネマ歌舞伎「熊谷陣屋」

あけましておめでとうございます。2018年のエンタメ初めはこちらから。 前の歌舞伎座のさよなら公演、最後の月に演じられた芝居を映画化したものです。 吉右衛門さんの熊谷を筆頭に、藤十郎さんの相模、魁春さんの藤の局、梅玉さんの義経、そして富十郎さん…

Cinema:「男と女 デジタル・リマスター版」

製作50周年を記念して、デジタル・リマスター版として美しく蘇った名作を映画館の大きなスクリーンで堪能してきました。 制作されてから50年の月日が流れているとは思えません。♪ダバダバダ〜♪の音楽をはじめ、カラーとモノクロを使い分けた映像や斬新なモン…

Cinema:ミルピエ〜パリ・オペラ座に挑んだ男〜

「ミルピエ〜パリ・オペラ座に挑んだ男〜」を鑑賞。20年近く芸術監督を務めたブリジット・ルフェーヴルの後任として、史上最年少でパリ・オペラ座の芸術監督に就任した振付家のバンジャマン・ミルピエ。芸術監督として初めて手がけた新作「クリア、ラウド、…

Cinema:ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

月に一度の映画の日。12月は「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」(2016年、アメリカ)を鑑賞。 ハリー・ポッターの新シリーズ × エディ・レッドメイン演じる主人公の組み合わせ。これは楽しそうな予感、と思って。舞台は1920年代、熟れた果実のよ…

念願のニワコヤ映画祭

"映画を観て、映画にまつわるごはんをみんなで食べる"がコンセプト。移動映画館 Kino Iglu × 仙川のカフェ ニワコヤ × 山フーズのコラボによるイベント、ニワコヤ映画祭2016に参加してきました。 いつも終わってしまった後に気づいて悔しい思いをしていて、…

シネマ歌舞伎「スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース」

スクリーンで楽しむ歌舞伎=シネマ歌舞伎に、「スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース」が登場! 上演中、あちこちで「面白い!!」と大評判だったこちらの舞台。 観に行かなくて後悔していたので、シネマ歌舞伎で気軽に観ることができて嬉しいです。 宙乗りや本水を使…

Cinema:君の名は。

公開直後から大ヒット。 興行成績を伸ばし続けているこちらの作品。 今さら感たっぷりですが、ようやく観に行けました。 新海誠監督の作品らしく、絵がとってもきれいで、きれいすぎて、ずーっと夢を見ているような、あの世から眺めているような光と色彩。影…

懐かしいキャラクターたちとスクリーンで再会

大好きな、大好きなアニメーション「雲のように風のように」映画並みのクオリティで作られ、CMなしでTV放送されたスペシャル・アニメ。 飯田橋ギンレイホールで開催中の、神楽坂映画祭2016『新潮社から生まれた名作映画たち』の企画で1回限りで上映するのを…

METライブビューイングアンコール2016 R・シュトラウス「エレクトラ」

METライブビューイングアンコール20162015-2016 第10作 R・シュトラウス「エレクトラ」を観てきました。ギリシャ悲劇「エレクトラ」に題材をとった、父王アガメムノンを殺した母クリテムネストラとその愛人エギトスへの復讐に燃える、王女エレクトラの物語で…

独特の様式美〜パラジャーノフ監督作品「ざくろの色」と「火の馬」

渋谷アップリンクで、先週末から一週間限定ではじまったパラジャーノフ特集。 パラジャーノフはソ連当時のグルジアに生まれたアルメニア人の映画監督。 彼の作品「ざくろの色」(1969年)と「火の馬」(1964年)、二本立てで観ました。 「ざくろの色」は、18世紀…

Cinema:ファインディング・ドリー

Pixerの最新作「ファインディング・ドリー」を観てきました。 「ファインディング・ニモ」(2003年、アメリカ)の続編にあたります。 カクレクマノミのマーリンが息子のニモを探す旅から帰ってきてから一年後。今度はナンヨウハギのドリーが記憶の欠片をたより…

Cinema「フリーダ・カーロの遺品」、飲茶

渋谷アップリンクで一週間限定で公開中の「フリーダ・カーロの遺品」を観ました。 2004年に紐解かれたフリーダ・カーロの遺品。フリーダ・カーロ博物館《青の家》からの依頼をうけて、写真に収めるプロジェクトを引き受けたカメラマン・石内都さんが、フリー…

Cinema:サウルの息子

映画館で「サウルの息子」(2015年、ハンガリー)を観ました。 ポーランド、アウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所で、ガス室での殺害の補助と遺体の処理という特殊任務にあたる囚人、ゾンダーコマンドとして働くハンガリー系ユダヤ人のサウル。ある日、被害者…

Cinema:シリア・モナムール

昨日は映画の日だったので、公開中のこちらを観てきました。 「シリア・モナムール」(2014年、シリア・フランス) 2011年、アラブの春に端を発するシリア内戦。映画祭に参加するためフランスにいて、そのまま母国に帰れなくなってしまった映画監督オサーマ。…

Cinema:モード家の一夜

「ロメールと女たち」の3本めは「モード家の一夜」(1968年、フランス)を。今回の特集の中で唯一のモノクロ作品です。カトリック信者で技術者の"私"の前に、同じタイミングで現れた2つの恋のチャンス。サバサバしたなかに脆さも感じさせる大人の女性モードと…

Cinema:満月の夜

エリック・ロメール監督特集「ロメールと女たち」、2本めは「満月の夜」(1983年、フランス)を見ました。恋人のレミとパリの郊外で同棲中なのに、一人になって孤独を味わいたいと、パリに借りたアパルトマンの一部屋で週末を過ごす生活を送りはじめるルイーズ…

Cinema:海辺のポーリーヌ

東京では先週末からはじまったエリック・ロメール監督特集「ロメールと女たち」。そのなかから「海辺のポーリーヌ」(1983年、フランス)を見てきました。ある夏、ノルマンディの海辺でポーリーヌと従姉妹のマリオンが過ごした短いヴァカンスと、その間に生ま…

Cinema:ファブリックの女王

「ファブリックの女王」を観ました。マリメッコの創業者、アルミ・ラティアの人生模様を描いた映画。う〜ん、なんていったらいいのか、わからない…。こんなにピンとこなかった映画は久しぶりです。マリメッコのカラフルでユニークなテキスタイルを生かした、…

Cinema:マシュー・ボーンの白鳥の湖

「マシュー・ボーンの白鳥の湖」を観てきました。昨年、公開上映されていたらしいのですが、まったく知らず。今回は9月にあるマシュー・ボーンの「眠れる森の美女」の来日公演にあわせて、期間限定での上映されているようでした。クラシックバレエの代名詞と…

Cinema:リップヴァンウィンクルの花嫁

「リップヴァンウィンクルの花嫁」を観てきました。岩井俊二×黒木華、というキーワードだけで、まったく予備知識なく鑑賞。ジェットコースターのようにめまぐるしくアップダウンして、どこへたどり着くのか、全く予測できない3時間。そんな物語の渦のど真ん…

Cinema:牡蠣工場

想田和弘監督の観察映画 第6弾「牡蠣工場(かきこうば)」を見てきました。「日本のエーゲ海」といわれる和歌山の牛窓。牡蠣を養殖し剝き身にして出荷する、牡蠣工場で働く人の日々に密着したドキュメンタリーです。ナレーションなし、テロップなし、音楽なし…

Cinema:キャロル

大好きな女優、ケイト・ブランシェットの主演作「キャロル」を観ました。とても儚く、美しい映画でした。映像、音楽、ファッション…。どれをとっても美しく、これはぜひ映画館でどっぷりと物語の世界に浸りながら見てほしい。この映画に関しては詳細は書かな…

Cinema:ロパートキナ 孤高の白鳥

大好きな、大好きなバレリーナ、ウリヤーナ・ロパートキナのドキュメンタリー映画。ロパートキナは1973年、ウクライナのケルチ生まれのバレリーナ。ロシア国立ワガノワ・バレエ・アカデミーで学び、卒業後、ボリショイ・バレエと並びロシアが世界に誇るバレ…

Cinema:サタジット・レイ監督作品二本立て

早稲田松竹でインドの映画監督、サタジット・レイ作品「ビッグ・シティ」と「チャルラータ」の二本立てを観ました。どちらも舞台はインドのカルカッタ(現コルカタ)。「ビッグ・シティ」は1953年。病気の老いた父と母、妹に、小さな子どもを抱える夫婦が主人…

Cinema:放浪の画家ピロスマニ at 岩波ホール

国民的画家ニコ・ピロスマニをテーマに制作された1969年のグルジア(ジョージア)映画です。もともとロシア語版が随分前に日本でも公開されているのですが、今回、オリジナルのグルジア(ジョージア)語版がデジタルリマスターで美しく蘇ったのを記念しての劇場…

原節子さんのこと

昭和を代表する映画女優、原節子さんが9月5日に肺炎のため、95歳で亡くなっていたというニュースが流れました。公表を遅らせたのは、「騒ぎにならないように、亡くなったことを公にするのは死後3か月経ってからにしてほしい」という原さんの意志によるものと…

Cinema:セッション

偉大なるドラマーを目指してニューヨークの名門音楽院に入学したアンドリュー・ニーマン。鬼教師として有名なフレッチャー教授の目に止まり、彼の指導するスタジオ・バンドにドラマーとして参加することに。待っていたのは想像を絶する、狂気じみたスパルタ…

Cinema:ボリショイ・バビロン 華麗なるバレエの舞台裏

世界のバレエ団の最高峰、ロシアのボリショイ・バレエ団のドキュメンタリー。中心となるのは、2013年に芸術監督のセルゲイ・フィーリンが何者かに顔に硫酸をかけられるという事件が起き、バレエ団のソリストが犯人として逮捕されるというスキャンダル。ロシ…

Cinema:おみおくりの作法

銀座のシネスイッチで上映されて、静かに話題になっていた作品です。あらすじロンドンのケニントン地区、民生係で働く独身の中年男性、ジョン・メイ。彼の仕事は、ひとりきりで亡くなった人の葬儀を行うこと。故人一人ひとりに対して、できる限りの時間をか…