2泊3日の関西旅 1日目①御舟かもめの朝ごはんクルーズ
7月半ばの三連休。
2泊3日で大阪&京都へ行ってきました。
旅のはじまりは八軒家浜。
一緒に旅する友人と待ち合わせ、御舟かもめさんの朝ごはんクルーズに。
「川に浮かぶお家」がキャッチコピーという、10人乗ればいっぱいの小さな舟で東へ西へ、水都大阪を眺めます。
建築物の合間から見える大阪城。
難波橋のライオンのお尻。
舟ならではの眺めがたくさん。
朝ごはんクルーズなので、朝ごはんを食べながら。
大阪、枚方の農園・杉五兵衛さんの朝ごはんです。
米粉のおやきと産地直送の野菜。
これに可愛いオリジナルケース入りの緑茶が付いてきます。
おやきの具と野菜の種類は日によって違うそうで、この日のおやきはねぎ味噌、野菜はミニトマトにトマト、とうもろこし、マクワウリと、ビタミンカラーで「夏、真っ盛り!」なメニュー。
どれも味と香りが濃くて美味しかったですが、久しぶりに食べたマクワウリがとくに懐かしく、嬉しかったです。
夏らしい青空の下、心地よい風を感じながら、船長さんの解説とともに景色を楽しんでいたら、あっという間に下船の時間。
ゆったり楽しい50分でした。
★Information
母の誕生日
今日は母の誕生日。
67歳になるのかな?
好奇心旺盛で、いつも気の向くままあっちへ行ったり、こっちへ行ったり。
休むことなくアクティブに動き回っていて、頼もしい限り。
母が元気に楽しく過ごしているのがなによりの喜びです。
ところで、毎年悩むのが誕生日プレゼント。
父も母も、「ほしいものは自分で買う!!」というタイプで、しかもこれだけ長い間一緒にいながら、好みがいまいちよくわからないんですよね…。
プレゼントしてもいまいちだったようで、タンスの肥やしになることもしばしば。
これまでで一番喜ばれた贈り物は、小学校の卒業時に、「お母さんにプレゼントしましょう!」という趣旨で家庭科の時間に作った、スウェーデン刺繍の巾着袋です。
母の好きなピンク色メインのグラデーションで、これまた母の日好みの小花模様などを刺繍した布を袋に仕立てたものですが、ものすごく気に入ってくれているみたいで、何度も直しながらボロボロになってもいまだに使い続けてくれています。
どんなに高価な既製品よりも、拙くても一生懸命作った味のある手作り品の方が、大切にしたくなるものなのかもしれません。
それが贈り物であれば、なおさら。
小学生6年生の、子どもと大人の間にいたあの時期の私への思い出も一緒に詰まり、母にはとても大事なものになっているようです。
そして、今、姉夫婦の間に生まれた姪っ子に、おばあちゃんになった母と、お母さんになった姉とが、あれをつくってあげたい、これをつくってやろうと、つきづき競うように身の回りの品を手作りしています。
この間、実家に帰った時は私たちのためにおばあちゃん(母の母です)が作ってくれたお手玉を出してきており、「これを見本にして、お手玉を作ってあげようとおもって」と針仕事にいそしんでいました。
わざわざ買ってきた縮緬の布で、おばあちゃんが作ってくれたお手玉。
丁寧な針目に、おばあちゃんの穏やかな佇まいが思い出されます…。
このお手玉のほか、おばあちゃんも私たちにあれこれ作ってよく贈ってくれました。
こうやって、手作りの思い出が巡っていくんですね。
大河ドラマ「花の乱」
今、応仁の乱の本を読んでいるからか、昔、夢中で見ていた大河ドラマ「花の乱」が懐かしくてたまりません。
市川團十郎と三田佳子をダブル主役にすえて、足利義政&日野富子夫妻を中心に、応仁の乱を描いたドラマ。
若き日の義政&富子を演じる、新之助(現・海老蔵)と松たか子、二人の若さ溢れる輝くばかりの美しさ。
西軍・山名宗全役の萬屋錦之助、東軍・細川勝元役の野村萬斎をはじめとする、濃ゆ〜い脇役陣のこってりした芝居。
これでもか、と人間のドロドロした部分をあぶり出す市川森一の脚本に、三枝成彰の華麗な音楽。
見どころはいっぱいなのですが、ドラマの芯になっている、義政&富子夫妻の描かれ方が印象的だったんですよね。
内向的で自分の美の世界に浸っていたい義政と、情熱的で生命力溢れる富子。
水と油のような、まったく相容れない性格の者同士で夫婦になって、最初はお互いに理解し合おうと努力する二人。
義政の将軍退位をきっかけに、弟の義視に将軍職を譲りたいという義政と、自分の息子・義尚に跡を継がせたい富子。
意見が対立して、気持ちがすれ違い、夫婦の仲が冷え切っていく様がやたらと生々しかった記憶があって。
でも、最後に富子が「御所様(義政)あってのわたくしだった」というようなことをしみじみ言う場面があって、ああ、あれだけ周りを巻き込んですったもんだしてたけど、これって夫婦の物語だったんだなぁっていうのが、すごく心に残っています。
今見たら、どんなことを思うでしょうか…。
NHKアーカイブスにアップされている映像だけ観ても、ものすごく面白いです。
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六月大歌舞伎 昼の部 at 歌舞伎座 6/18
演目&役者さんの組み合わせが好みだったので、今月は昼の部を観に行きました。
◆「名月八幡祭」
越後の縮屋新助は深川芸者の美代吉に惚れ、彼女には船頭をしている三次という男がいるのを知りながらも、彼女の「百両を工面してくれたら一緒になってもいい」という言葉を信じて、故郷の家、田畑を売ってお金を用意します。
しかし、美代吉には通ってくれていたお殿様からの手切れ金百両が入り、もはやいらないお金。
美代吉に愛想尽かしをされ、何もかも失った新助は、深川祭の夜、押し寄せた大勢の人が原因で永代橋が落ちて混乱し、雷雨にみまわれる中、復讐するために美代吉を探し回ります…。
松緑さんの新助さん、田舎の真面目で純朴な青年の恋で、思っていたほどエキセントリックではありませんでした。
美代吉への恋が純粋でキラキラしてるので、袖にされてからの嘆きが本当に可哀想で観ているこちらも胸が痛くて…。
新助にそっと寄り添う魚惣夫婦(猿弥さんと竹三郎さん)のあたたかさに救われました。
新助の運命を狂わせる二人、笑也さんの美代吉と猿之助さんの三次が恋人同士に見えなくて残念でした。
この作品は舞台設置も美しくて、素敵なんです。
水路が巡らされ舟が足代わりの深川の町の様子、殺し場の本水を使った豪雨の演出、晴れた空に昇る満月と水たまりに映る月、2つの輝く月が印象的なラストシーンまで。
蒸し暑くなってくる今の季節にぴったりの演目でした。
◆澤瀉十種の内 「浮世風呂」
銭湯でお客さんの背を流したりして働く三助の踊り。
なんと、なめくじも登場します。
幕開け、朝風呂の雰囲気がよく出た照明が美しい。
すっきりとかっこよく踊る猿之助さん。
いつもより足が出た衣装で、すらっとした美しい足にドキドキしました。
いろんな踊りをぱっぱっと踊り分ける場面も、なんとも鮮やかでお見事!!
猿之助さんの踊りはいつ観てもキレッキレで惚れ惚れします。
「流しの隅から見初めて染めて」と三助に言いよる種之助さんのなめくじが色っぽくて可愛くてびっくり。
頭にちょこんとツノをのせているのですが、見た目は可愛い女の子。
(着物に"なめくじ"と書いてあるのがおかしい)
でも動きや身のこなしからなめくじのぬめっと感が伝わってきて、なんとも艶っぽい。
最後は猿之助さんの三助に塩をかけられて、すっぽんに消えていってしまいました…。
最後は刺青が入ったお兄さんたちとの風呂桶を使った立ち回り。
鮮やかに何度もトンボを切っての立ち回りの後、見得でかっこいい幕切れ。
◆「御所桜堀川夜討」(弁慶上使)
生まれた時以外泣いたことがないという武蔵坊弁慶の、たった一度の恋。
そして、その恋のために一度だけ泣いたという伝説に基づくお話。
吉右衛門さんの弁慶、隈取りや鬘、長袴などのこしらえがよく映えて、役者絵から抜け出てきたように立派。
そして、大きな大きな弁慶。
喋るたび、動くたび、そして黙っていても、弁慶のときどきの気持ちが客席を満たします。
たった一夜、情を交わしたことで、しのぶという娘を授かった弁慶とおわさ。
しかし、義経の正室で平家の血を引く卿の君の身代わりとして、そのしのぶを殺さなければならない、という悲劇が二人に降りかかります。
娘を殺し、殺されしているのに、十七年の時を超え、お互いの手元に残ったたったひとつの恋の証、赤い振袖が手掛かりとなって、お互いにあのときの相手とわかると、ぱっと乙女に戻ってしまう雀右衛門さんのおわさが可愛く哀れでした。
そして、卿の君の身代わりとして他の女性の首を差し出していることがバレないようにと、自らも犠牲になる又五郎さんの侍従太郎が渋くて立派。
又五郎さん、肚でうける芝居もうまいですね。
米吉さんのしのぶが健気で美しく、しのぶの首と侍従太郎の首を抱えて弁慶が花道を去っていく最後まで、丸本物らしくずっしり見応えのある一幕でした。
★Information
六月大歌舞伎 at 歌舞伎座
昼の部
一、名月八幡祭
二、澤瀉十種の内 浮世風呂
三、御所桜堀川夜討 弁慶上使
6/2(金)〜6/26(月)
国分寺〜武蔵野台地のハケを歩く
街歩きの講座に参加して、国分寺駅周辺を歩いてきました。
「ハケ」とは、国分寺周辺の方言で高さ数メートルの崖のことを指すそうです。
この辺りは武蔵野台地を古多摩川や東京湾が侵食してできた段丘がいくつかあります。
そのなかでも武蔵村山市から大田区まで続く国分寺崖線を中心に歩きました。
武蔵野台地は水を通しにくい関東ローム層に覆われ、その下には水を通しやすい砂礫があって境目から水が染み出す、天然の水かめのようになっています。
その境目、水の出口がハケやスリバチ状の地形にあるので、その後を中心に辿ります。
まずは北口を出て、野川の源流のひとつ、日立製作所 中央研究所の辺りをめざします。
歩いている途中で公園の一角に保存された縄文時代の竪穴式住居のあとが…。
古多摩川の周辺には縄文時代の遺跡がたくさん見つかっていますが、これもそのひとつのようです。
残念ながら日立製作所 中央研究所は一年に2日だけ、特別一般公開日にしか入ることができません。
敷地内ではハケから今でも水が湧き出し、野川の源流のひとつになっているそうです。
緑がこんもりと茂る敷地を遠目に見ながら、恋ヶ窪のもうひとつの湧水地、姿見の池へ。
こちらは残念ながら水が枯れてしまっており、江戸時代に復元された池です。
かつてはここから水が湧き、恋ヶ窪用水へ流れ出して近辺の田圃を潤していたそうです。
その用水も復元されていました。
そして、ここからは奈良時代へのタイムトラベル。
律令制度に基づく国造りの跡を辿ります。
まずは東山道武蔵路の跡。
国によって作られた官道で、武蔵国の国府があった府中から下総国の足利までを結んでいました。
幅が12mもある広い道路で、左右には側溝が設けられていたそうです。
地形を無視してひたすらまっすぐに、だだっ広く続く道。
団地の脇に続く発掘保存された道をしばらく歩けるようになっていて、登場には「東山道武蔵路」の碑もあります。
住宅地の中に、こんな一角も。
建物から建物の間、芝生の部分が道幅です。
どれだけ広い道か、伝わりますでしょうか。
親切な解説パネルがあちこちにありました。
続いて、仏教による国造りをめざした聖武天皇の置き土産、国分寺跡です。
まずは、現在も残る薬師堂。
国分寺は新田義貞による鎌倉攻めのときに消失してしまい、薬師堂はそれを悔いた義貞による寄進により建てられたそうです。
現在の薬師堂は、江戸時代に再建されたもの。
発掘調査で判明した柱の跡などがわかりやすくマーキングされていて、それぞれの建物が大きく立派で、大規模なお寺であったことがうかがえます。
聖武天皇が全国各地に建てた国分寺の中でも、一、二を争う規模ではないかと言われているそうです。
また、建てられた場所が特定でき、ここまで痕跡が残っている国分寺は珍しく、大変貴重な遺跡だとのこと。
東山道武蔵路にしても国分寺にしても、歴史の教科書で習った、はるか昔に思える時代に造られたものの跡を、実際に見て体感できることに感慨を覚えずにはいられません。
さて、奈良時代の歴史的建造物を後にして、再び水のあと辿り。
ハケに湧く水のひとつ、真姿の池湧水群へ。
とっても澄んだ清らかな水が湧き出していて、湧水でできた池の上に弁財天が祀られています。
湧水が流れる川の道沿いは、この周辺が尾張徳川家の鷹狩り場だったことにちなんで「お鷹の道」と名付けられています。
弁財天のすぐ近くには国分寺崖線があり、ハケによる湧き水であることがわかります。
これらの湧水を集めて流れる野川を見に行きました。
調布市辺りでは周辺に見事な自然景観を作り出している野川ですが、はじめの頃はまだこんなに小さな川なんですね。
最後にハケが生んだ湧水を生かした庭園が見られる殿ヶ谷戸庭園前で解散です。
本当は庭園を見て帰りたかったのですが、久しぶりの団体行動に疲れたのと、あまりに暑い中を歩いたのでへばってしまい、体調が思わしくないのもあってそのままお別れ。
国分寺駅近くの胡桃堂喫茶店でひと休みしてから帰りました。
黒豆寒天と冷緑茶。
緑茶は差し湯ができて、お代わり自由。
暑い中を長時間歩いてほてった体にしみました…。
ボリショイ・バレエ 2017年日本公演 「パリの炎」at 東京文化会館 6/15
ボリショイ・バレエ 2017年日本公演「パリの炎」を観てきました。
東京文化会館での6/15公演です。
物語は18世紀、革命前夜のフランス。
農民のジャンヌ&ジェローム兄妹がマルセイユ義勇軍に参加し、革命に身を投じるお話です。
ラトマンスキー振付の作品、初めて全幕を観たのですがアクロバティックで体操のようですね…。
物語の進行はマイムも交えてわかりやすく進行するので、演劇的な要素も強く、ちょっとミュージカルっぽい雰囲気もありました。
振付そのものにあまり魅力は感じませんでしたが、この作品は最初から最後まで、メインキャストはもちろん、群舞まで含めてずーっと踊りっぱなし。
ダンスも、アクロバティックな体操っぽいもの、クラシックで優雅なもの、民族舞踊のようなものまで、さまざまなタイプがあります。
これを身体能力が高く、しっかりとした技術があり、スタイルのよい人がずらりとそろったボリショイ・ダンサーが踊るのだからたまりません。
ボリショイの専属オケのぐいぐい煽って盛り上げる演奏もあいまって大迫力で、「これぞ、ボリショイ!!」という躍動感溢れる舞台でした。
とにかくワシーリエフの踊るフィリップが観たくて買ったチケット。
跳んで、回って、跳ねて。
全身がバネのようにしなやかで、弾むように軽やかで、かつ力強い踊り。
2幕のヴァリエーションでは、あまりの見事さに鳥肌が立つほど。
本当に素晴らしかったです…。
汗ビショビショで衣装の白シャツが肌色になっても、明らかに肩で息をしていても、一切の手抜きなし。
「舞台上で死んでも悔いなし」という感じで全力で踊り、何度も続くカーテンコールでははけるときにジャンプしてみせてくれるサービス精神。
演技はやや過剰気味なんですが、それを嫌味に感じさせないスターオーラ!!
彼が出てくるだけでぱっと場の空気が変わってしまいます。
ゲストダンサーとしての出演なので、ジャンヌを踊るクレトワに花を持たせようと、一生懸命サポートしているのも印象的でした。
とてもチャーミングなダンサーですね。
彼みたいに明るくて豪快で、雄大な踊りが出来るダンサーって、今は本当に貴重だと思うので、怪我に気をつけて、できるだけ長く、元気いっぱいに踊っていてほしいと思います。
ジャンヌはクリスティーナ・クレトワ。
テクニックはものすごくしっかりしていて、音にはまった溌剌とした踊りが気持ちよく、アクロバティックで難しい振付も見事にこなしていました。
明るい笑顔が素敵な美人ダンサーですが、どこか地味で、群衆の中に入るとたまに見失ってしまうことが…。
もう少し真ん中で踊るダンサーとしての存在感や迫力がほしいところですが、あまり華やか過ぎないところが"農民の娘"という役には合っていたと思います。
ジャンヌの兄・ジェロームはアレクサンドル・スモリャニノフ。
こちらも素朴な田舎のお兄ちゃん、という感じで、踊りはしっかりしていますが、あまり目立ちません。
クレトワと二人で踊る場面は、田舎の素朴な兄妹という雰囲気が出ていてとてもよかったです。
もう少し存在感があってくれると、物語の核のひとつである貴族の娘・アデリーヌとの恋、そして悲劇に見舞われるラストの印象が強まり、作品としての深みも増したのではないかと思うのですが…。
貴族の娘・アデリーヌのアナ・トゥラザシヴィリはとても優雅で上品で、役にぴったりでした。
長くほっそりとした手足を生かしたラインが美しく、少しエキゾチックな顔立ちも好きです。
彼女が古典作品を踊るのを見てみたいなぁと思いました。
そして、アデリーヌの父、コスタ・ド・ボールガール侯爵のイーゴリ・ツヴィルコ。
もともと予定されていたチュージンの体調不良による代役。
チュージンが見られなかったのは残念ですが、ツヴィルコの侯爵様、素晴らしかった!
お色気むんむん、とってもセクシーな肉食系の侯爵様で、ねっとりと重厚な踊りが素敵でした。
そういえば、ボリショイ・バレエ in シネマの「白鳥の湖」で彼の道化を観て、そのときも「ステキ♡」と思っていたのでした。
もっとがっつり踊るところが観たいので、次の来日公演でも来てくれたら、彼がメインを踊る回のチケットを取りたいと思います。
メインキャスト以外で印象に残ったのは、王族と革命軍、両方に娯楽を提供する女優と俳優を踊った、マルガリータ・シュライネルとダヴィッド・モッタ・ソアレスです。
クラシックな振付を優雅に美しく踊り、うっとりさせてくれました。
二人のこれからが楽しみです。
ボリショイ・バレエ、今回の来日公演を観たのはこの1回だけでしたが、とてもよい舞台で大満足。
「パリの炎」という少しマイナーな作品を専属オケとともにもってきて、さらにワシーリエフがフィリップを踊る、という企画を実現してくれた関係者のみなさまに感謝。
次の来日公演は2020年、東京オリンピックの年とのこと。
どんな公演になるのか、いまから楽しみです。
★Information
ボリショイ・バレエ 2017年日本公演
「パリの炎」(全2幕)
6/15(木) 19時開演
作曲:ボリス・アサフィエフ
現振付:ワシリー・ワイノーネン
改訂振付:アレクセイ・ラトマンスキー
「ミュシャ展」 at 国立新美術館
行きたい行きたいと思っていた展覧会。
ようやく観に行くことができました…。
なんといっても、今回の展覧会の目玉。
冒頭から会場のほとんどのスペースを使って展示されている「スラブ叙事詩」全20点が圧巻です。
いつもは天井が必要以上に高く感じる国立新美術館が小さく感じられるほど、大きな大きな壁画。
王様や宗教指導者など、歴史的人物も描かれてはいるけれど、全体として見るとあまり目立たず、むしろ目が行くのは名もなき人々。
一人ひとり、ポーズや表情が細かく描きこまれています。
平和主義者だったミュシャ(ムハ)は残酷な場面でも直接的に表現するのを極力避けたとのことで、戦いを描いている絵もそこまで激しさはありません。
色合いがとても美しく、構図もかなりデザイン的なので、全然生々しくなくて、歴史というより物語の一場面を見ているよう。
「叙事詩」っていうタイトルは、本当に的確だと思いました。
「スラブ叙事詩」全20点のうちの、撮影OKな作品が5点ありました。
そのうちの1点、「イヴァンチェの兄弟団学校」(1914年)部分。
クラリチェ聖書の印刷が描かれた1枚。
文字が読める、印刷できる、自分たちの言語で表現できる、本というメディアの偉大さ。
新しい知識を得るワクワク感が伝わってきます。
全20点のうち、これが一番好きです。
あとのコーナーでは、パリ時代のミュシャの作品は代表作のみをほんの少し、そして万国博覧会のパビリオンのデザインや、チェコが国家として独立した後、ミュシャ(ムハ)が無償でデザインを引き受けたお札や切手などが展示されていました。
会場では「チェコってヨーロッパのどこら辺にある国?」「スラブ民族とかゲルマン民族とか、よくわかんない」「フス派って何?」という声がちらほら聞こえました。
せっかく「スラブ叙事詩」全点を展示して、従来のアール・ヌーヴォーの騎手としてではなく、愛国心溢れるチェコ人としてのミュシャ(ムハ)を紹介しているのですから、パネルの解説等を工夫して、絵の背景にある知識をもう少し丁寧に伝える努力をしてもよかったのでは?と思いました。
★Information
ミュシャ展
3/8(水)〜6/5(月)